専用レーンや新技術の導入は

 BRTが高速・定時輸送を行ううえでは、専用レーンや専用走行路といった設備が重要となる。海外の都市部で見られるBRTは、道路上に他の一般車とは仕切られた走行路を設ける例が多いが、都は「他の道路と区画された完全な専用道は現実的には難しいだろう」(都市整備局交通企画課)との見方を示す。現在一般的に見られるバスレーンのように、時間帯別の専用レーンや優先レーンを走らせる方式で検討が進みそうだ。

韓国・ソウル市のバスシステム。道路の中央に上下線のバス専用レーンがあり、他の一般車は入れない(写真:小佐野カゲトシ)
韓国・ソウル市のバスシステム。道路の中央に上下線のバス専用レーンがあり、他の一般車は入れない(写真:小佐野カゲトシ)

 新技術の導入も注目されるポイントだ。都は事業協力者を募集する際に「新技術を積極的に導入する意思のある者」を応募資格の1つとしており、都が進める水素エネルギーの活用に向けた燃料電池バスの導入などが考えられるが、ほかにも「例えば自動運転技術を活用して、バスをバス停にぴったり停めるといったことも考えられる」という。

 現状では、バスは乗り降りの際に歩道との段差や隙間がどうしてもできてしまう。停留所に停まる際にバスを自動制御し、正確に乗り場に合わせて停めることで、バリアフリー化や乗降時間の短縮を図るというアイディアだ。あくまで一つの案だが、こういった新技術の導入も検討される見込みだ。

ノンステップバスでも路上との段差や隙間は避けられないが、新技術の活用で改善することも考えられる(写真:小佐野カゲトシ)
ノンステップバスでも路上との段差や隙間は避けられないが、新技術の活用で改善することも考えられる(写真:小佐野カゲトシ)