雑司ケ谷付近で地下トンネル工事が始まる
都電雑司ケ谷と鬼子母神前の間では、大動脈となる都市計画道路が建設中で、都電も大改造が始まる。道路は渋谷区広尾5丁目から北区滝野川2丁目に至る約14kmの都市計画道路「環状第5の1号」だ。池袋駅前付近で混雑する明治通り(環状5号)のバイパスルートとして機能させる。
都電と並行する区間では、幅員30~40mの道路を軌道とともに整備する。地上は軌道の両側に1車線ずつ、地下に2車線の計4車線を設ける。同時に電線類を地中化して街路樹の植栽も施す。延焼遮断帯の役目も担い、地域の安全性や防災性を向上させる。環5の1の豊島区高田3丁目から南池袋2丁目までの約1400mは、事業費が370億円、2019年度までに完成する予定だ。
都電雑司ケ谷の南には、環5の1のトンネル工事用のセメント設備などが置いてあった。軌道を見ると、移設工事へ向けた木製覆工設置や軌道仮受杭打設などが実施されている。線路の東側に沿う車道では、重機による掘削が始まり、地下ルート建設に向けた準備が進んでいる。
都電雑司ケ谷を出た早稲田行き電車は、下り坂を一気に駆け下り、大鳥神社の門前を通り過ぎる辺りで谷底をむかえ、上り坂に転じて鬼子母神前へと滑り込む。環状第5の1号は、この都電のアップダウンに沿って敷設される。
同区間の一部の軌道を移設し、開削工法でトンネルを設置。その後に再び都電の軌道を現在位置に戻し、都電の真下に幅6m(片道)の地下道、両側に同じ幅の車道が並ぶ構造になる。
この区間にあった制限高2.6mの目白架道橋下の道は、工事に合わせて閉鎖。鬼子母神前の三ノ輪橋方面(B線)ホームも移設され、旧ホームの解体が始まった。環5の1が整備されると、都電の上に架かる千登世橋(目白通り)からの眺めも変わる。
<訂正>
「旧古河庭園」の漢字を修正しました。(2014年12月2日10時5分)