小台付近は軌道も移設
日暮里・舎人ライナーと立体交差する熊野前から宮ノ前にかけては、道路の中央に軌道を設置して車道から分離した「センターリザベーション」と呼ぶ敷設形態を採っている。三ノ輪橋寄りの門型架線柱と違い、この区間ではセンターポールタイプ(中央1本出し)の架線柱が立っている。
線路と直交する横断歩道には踏切設備ない。電車は専用軌道区間よりもゆっくりと走り、歩行者はクルマや電車の存在に注意しながら都電通りを横断する。
都電荒川線で最も大きな変化が見られる区間が、小台と荒川遊園地前の間だ。この区間では、早稲田方面(A線)と三ノ輪橋方面(B線)の両軌道を北側に移設して、停留場の移設や乗り場の変更も実施するなどの大改造だ。
工事は並走する補助90号の整備に合わせたもの。荒川区西尾久三丁目(小台駅付近)と西尾久七丁目(荒川遊園地前付近)の間の360mで、幅員を現状の16mから25mに広げる。軌道移設工事は東京都交通局が実施。いったん軌道を北側へ移し(仮設工事)、軌道を従来よりもさらに中央に配置して(本設工事)、両脇に車道を整備する。補助90号は、東京都が2004~15年度で優先的に整備すべきと決めた「第三次事業化計画」優先整備路線のひとつだ。
真新しいPC枕木やバラストでできた仮設線。その隣の軌道跡には、レール撤去後に不要となった木製枕木が積み上げられていた。この区間にある踏切の幅や長さが変わり、注意を促すガードマンの姿もあった。