東京・下北沢では2013年3月に小田急線が地下化。地上施設の撤去が進むなか跡地利用についてのワークショップが開かれ、早ければ15年にも緑地などの整備が始まる。現状と方向性について解説する。(編集部)

 東京都が進める連続立体交差事業により、2013年3月、小田急線の東北沢-下北沢-世田谷代田駅間の約2.2kmが地下化された。これに伴い、小田急電鉄が東京都、世田谷区、渋谷区などと線路跡地の土地利用について協議してきた。2013年11月には世田谷区内の施設配置(ゾーニング構想)に関する協議がまとまり、小田急線上部利用計画について発表した。

 上部利用に当たっては、街の個性や雰囲気を踏まえ「にぎわいや回遊性、子育て世代が住める街、文化」をキーワードに、街に新たな魅力を創出することを目指す。駅周辺を中心にゾーニングして、それぞれに特色を持たせる。

小田急電鉄と世田谷区が協議して発表した線路跡地の施設配置(ゾーニング構想)(資料:小田急電鉄)
小田急電鉄と世田谷区が協議して発表した線路跡地の施設配置(ゾーニング構想)(資料:小田急電鉄)

小田急電鉄と世田谷区が協議して発表した線路跡地の上部利用イメージ鳥瞰(ちょうかん)図(資料:小田急電鉄)
小田急電鉄と世田谷区が協議して発表した線路跡地の上部利用イメージ鳥瞰(ちょうかん)図(資料:小田急電鉄)

 一方、地元の世田谷区においては「防災、みどりの基軸づくり」をコンセプトとして、防災・減災の機能を備え、地域のみどりの基軸となる人間優先の空間づくりを図る。小田急電鉄の連続立体交差事業は2018年度まで続くが、鉄道工事が完成した部分から順次、計画や整備に着手していく。

下北沢駅周辺の事業スケジュール(資料:世田谷区)
下北沢駅周辺の事業スケジュール(資料:世田谷区)