遅延防止の要衝へ、生まれかわる南砂町駅
南砂町駅は、ややカーブした島式ホーム1面2線の地下駅。江東区の東部、江戸川区とを隔てる荒川の近くに位置し、付近にはマンションなどの住宅地、海側には工場などが建ち並んでいる。駅周辺の開発は近年急速に進展し、2002年には3万8608人だった1日あたりの乗降客数は、2012年には5万8762人と、10年間で約1.5倍に増えた。
同駅では島式ホーム1面と線路1線を増設して2面3線の駅に改築する工事を行う。ホームを新設することで方面別に乗り場を分離し、ホーム上の混雑緩和を図るのはもちろんだが、大きなポイントはホームと線路を新設することにより、中野方面への電車が線路2本を使って同じホームの両側から交互に発着できるようになる点だ。線路が2本あれば、先行電車が停車中に後続の電車が隣の線路に入線でき、停車時間を長く確保できるほか、遅れが発生しても「数珠つなぎ」にならず遅延を吸収することができる。