運行の工夫も大幅改善に至らず抜本対策へ

 東京メトロでは混雑対策として、ラッシュ時の増発やICカード定期券を使ったオフピーク通勤キャンペーンの実施をはじめ、乗降時間を短縮するため、ドア幅を通常より広げた車両を投入するなどの施策を進めてきた。しかし混雑率はこの10年ほど196─199%でほぼ変わらず、輸送人員が伸びていることもあり大幅な改善には至っていない。

ドア幅が1m80cmと、通常の車両より50cm広い東西線の電車(15000系)。乗降時間短縮を狙ったワイドドア車両は、東京メトロでは東西線だけに導入している(写真:小佐野カゲトシ)
ドア幅が1m80cmと、通常の車両より50cm広い東西線の電車(15000系)。乗降時間短縮を狙ったワイドドア車両は、東京メトロでは東西線だけに導入している(写真:小佐野カゲトシ)

 このため、同社は抜本的な対策として駅の大規模な改良工事を計画。2013年に発表した中期経営計画「東京メトロプラン2015~さらなる安心・成長・挑戦~」では「東西線輸送改善」を重点施策の一つに掲げた。

 改良の対象となっているのは茅場町、門前仲町、木場、東陽町、南砂町の5駅。このうち特に注目されるのはホーム1面・線路1線を新設する南砂町駅と、列車を運行しながら既存のシールドトンネルを解体し、上部にコンコースを新設するという「世界初」の工事を実施する木場駅だ。