「50年や100年に一度」といわれる規模で進む東京・渋谷駅周辺の再開発。シンボルとなる最も高い「渋谷駅街区東棟」の工事がいよいよ本格化する。7月31日に起工式が開かれた。東急東横線の地上線路跡地で進む再開発も含め、渋谷大改造の全貌を詳報する。
東棟は地下7階、地上46階建てで高さは228.3m。2012年4月に開業した「渋谷ヒカリエ」の高さ182.5mよりも45mほど上回る。
東棟の14階までの低層部は延べ面積3万m2の大規模商業施設、15階にコンテンツ産業などの情報交換を促す「交流施設」を挟み、16階から上の高層部はオフィスが入る。オフィスの賃貸面積は計7万m2で、渋谷駅周辺では最大規模になる。
東棟は13年3月に地下化した東急東横線のほか、東京メトロ銀座線やJR山手線などの渋谷駅に直結する。地下から地上部にかけて、街へのアクセスや鉄道の乗り換え動線となる東口立体交通広場を設け、「渋谷の玄関口」としての役割を果たす。災害時の帰宅困難者を受け入れる空間を確保するほか、防災備蓄倉庫も整備する。
東急電鉄とJR東日本、東京メトロの3社が事業主体となる。設計は日建設計・東急設計コンサルタント・ジェイアール東日本建築設計事務所・メトロ開発のJV(共同企業体)が担当。デザインアーキテクトとして日建設計のほか、隈研吾建築都市設計事務所とSANAA事務所が加わった。
施工は渋谷ヒカリエと同じく、東急建設・大成建設JVが手掛ける。完成は19年7月末を予定する。東急電鉄は「20年の東京五輪開催時には、名実ともに渋谷のシンボルタワーになる」と期待している。