東京五輪やリニア開業に間に合うか?
注目すべき事業の3つ目は、これらの地区をつなぐ駅前広場や通路などの整備だ。都営地下鉄と京急が乗り入れる泉岳寺駅とJRの新駅、品川駅とを歩行者デッキで結ぶ。
最後の4つ目は、都市計画道路である環状4号線の整備だ。環状4号線を東側に延ばし、JRの車両基地で分断されている東西を高架でつなぐ計画もある。完成すれば、臨海部と六本木や麻布などとのアクセスが改善する。高架だった京急品川駅を地上に下ろすことで、こうした道路を通しやすくなるとみられる。
ガイドライン案が示す街づくりが実現するのはいつごろか――。
残念ながら、現時点ではっきりとしているのは、JR東日本が車両基地の跡地につくる新駅が20年、JR東海のリニア中央新幹線が27年にそれぞれ開業するということぐらいだ。
都によると、「東京五輪を開催する20年やリニア中央新幹線が開業する27年は、事業を進めるうえでの一里塚になる。しかし、明確な目標は決まっていない」という。京急品川駅の地平化だけをとっても、工事中の用地確保や工事費の負担など、国と都、JR、京急などによる協議や事業スキームの検討から始めなければならない。
わずか6年後に迫った東京五輪。世界から注目されるその時までに、品川は「国際交流拠点」として変化を遂げているだろうか。関係者の手腕が問われる。