4つの地区を優先的に整備

 ガイドライン案で注目すべき事業の2つ目は、優先整備地区として定めた4地区の開発だ。

 JRの車両基地跡地の「品川駅北周辺地区」とホテルなどが集積する「品川駅西口地区」は、国際ビジネス機能やコンベンション機能を充実させる。

現在の品川駅西口(高輪口)。奥に見えるのは東口(港南口)側のオフィスビル群(写真:ケンプラッツ)
現在の品川駅西口(高輪口)。奥に見えるのは東口(港南口)側のオフィスビル群(写真:ケンプラッツ)

JR線をまたぐ八ツ山橋から北の品川駅方面を望む。左には横浜方面に向かう国道15号(第一京浜)が通る(写真:ケンプラッツ)
JR線をまたぐ八ツ山橋から北の品川駅方面を望む。左には横浜方面に向かう国道15号(第一京浜)が通る(写真:ケンプラッツ)

 国際戦略総合特区の指定などによる規制緩和で企業を誘致。職住近接で外国人にとっても住みやすい環境を整えるため、多言語に対応するインターナショナルスクールや保育所、医療機関も誘致する。

 「品川駅街区地区」は、世界や日本各地からの来訪者に分かりやすい交通結節点としての機能を高める。品川駅北周辺地区と一体で土地区画整理事業などを実施して、品川駅を再編する。

 「芝浦水再生センター地区」は、都の下水処理施設の再編に合わせて開発する。例えば、地下に雨水貯留池をつくるのに合わせて、貯留池の上部にオフィスや商業施設で構成する複合ビルを合築する。

 同地区では、次世代型の環境都市を目指す。東京湾や運河から吹き込む風を内陸の後背地まで送る「風の道」を確保したり、下水などの再生可能エネルギーを活用した街づくりを展開したりする。

芝浦水再生センターの上で建設が進む「品川シーズンテラス」。NTT都市開発などが事業主となり、2015年2月の竣工を目指す。オフィスビルと一体で3.5ヘクタールの緑地も整備する。左はNTTドコモ品川ビル(写真:ケンプラッツ)
芝浦水再生センターの上で建設が進む「品川シーズンテラス」。NTT都市開発などが事業主となり、2015年2月の竣工を目指す。オフィスビルと一体で3.5ヘクタールの緑地も整備する。左はNTTドコモ品川ビル(写真:ケンプラッツ)