明治通りは「本線」ではなかった

 池袋から渋谷までの明治通りの大部分は、東京都が都市計画道路として定めた「環状第5の1号線」に当たる。

東京都が都市計画道路として定めた「環状第5の1号線」の概要。2004年12月時点の資料から抜粋した。大部分は明治通りとして既に開通している。点線は事業中の区間で、拡幅工事などが進められている(資料:東京都)
東京都が都市計画道路として定めた「環状第5の1号線」の概要。2004年12月時点の資料から抜粋した。大部分は明治通りとして既に開通している。点線は事業中の区間で、拡幅工事などが進められている(資料:東京都)

 ただし、明治通りのうち新宿3丁目交差点や新宿4丁目交差点を通る新宿駅周辺の区間は、環状第5の1号線の本線ではなく「支線」として位置付けられている。都市計画上の「本線」となっているのは、新宿駅の北東で明治通りから東側に分岐して南下する御苑通りだ。

 御苑通りは4~8車線の広い道路だが、交通量は支線である明治通りほど多くない。本線にもかかわらず、途中で行き止まりになっているからだ。

新宿駅周辺の明治通りと御苑通りの位置(資料:東京都などの資料を基にケンプラッツが作成)
新宿駅周辺の明治通りと御苑通りの位置(資料:東京都などの資料を基にケンプラッツが作成)

御苑通りの南側を見る。写真奥に工事用のフェンスがあり、行き止まりとなっている(写真:山崎 一邦)
御苑通りの南側を見る。写真奥に工事用のフェンスがあり、行き止まりとなっている(写真:山崎 一邦)

 明治通りから分岐して御苑通りを南下すると、新宿区内藤町にある新宿御苑そばの交差点で右折か左折を求められ、トンネルに入った甲州街道の脇にある地上部の側道などに進むしかない。直進方向の行く手は工事用のフェンスに阻まれる。

 フェンスのそばから中をのぞくと、真っすぐに続く空き地と、その先にトンネルが見える。空き地をたどると、渋谷区内にある明治通りの千駄ヶ谷5丁目交差点付近に行き当たる。

 内藤町の交差点から南方向に進んで、千駄ヶ谷5丁目交差点付近まで至る約800mの区間が、長らく未開通となっていた環状第5の1号線の本線だ。完成すれば、既にある御苑通りと一体で、新宿駅付近で混雑する明治通りを迂回するバイパスとなる。

新宿御苑側からバイパスの予定地を見る。写真右は東京都立新宿高校の校舎(写真:山崎 一邦)
新宿御苑側からバイパスの予定地を見る。写真右は東京都立新宿高校の校舎(写真:山崎 一邦)

明治通りの千駄ヶ谷5丁目交差点付近。バイパスはここで明治通りと合流する(写真:山崎 一邦)
明治通りの千駄ヶ谷5丁目交差点付近。バイパスはここで明治通りと合流する(写真:山崎 一邦)