長さ120mの中央径間を吊り上げた

 5月8日午前6時ごろ、豊洲ふ頭に停泊する台船に載せていた重さ2600t、長さ120m、高さ18mの中央径間のブロックを起重機船が吊り上げて、隅田川の河口に向けてゆっくりと移動を開始した。引き船に曳航された起重機船は約1時間かけて、直線で2kmほど離れた架設現場に到着した。

 その後、起重機船の四方にアンカーを設置。起重機船がアンカーから伸びたワイヤを少しずつ巻き取りながら位置を微調整したうえで、吊り上げたブロックを静かに下ろした。

 隅田川の右岸(築地側)と左岸(勝どき側)には、長さ60mの側径間のブロックを4月21日と23日にそれぞれ同様の方法で架設済み。中央径間のブロックは、側径間の端部から川の中央に向けてわずかに突き出した「仮受け台」に載せる格好となった。

 5月9日からは、中央径間と側径間とを現場で溶接する作業に着手する。両者を接合して一体化した後、仮受け台を撤去する。さらに、舗装や照明、高欄、標識などの設置工事を進める。隅田川橋りょうを含む新橋から豊洲までの3.6kmの区間は、16年3月以降に開通する予定だ。

東京・芝浦の超高層マンション群を背景に、巨大な起重機船に吊られた橋が進む(写真:ケンプラッツ)
東京・芝浦の超高層マンション群を背景に、巨大な起重機船に吊られた橋が進む(写真:ケンプラッツ)

仮受け台の概略図(資料:IHIインフラシステム・川田工業JV)
仮受け台の概略図(資料:IHIインフラシステム・川田工業JV)

仮受け台に設けた油圧ジャッキ(写真:ケンプラッツ)
仮受け台に設けた油圧ジャッキ(写真:ケンプラッツ)

環状第2号線の勝どきと晴海をつなぐ仮称「朝潮運河橋りょう」は現在、PC(プレストレストコンクリート)桁だけが架かった状態(写真:ケンプラッツ)
環状第2号線の勝どきと晴海をつなぐ仮称「朝潮運河橋りょう」は現在、PC(プレストレストコンクリート)桁だけが架かった状態(写真:ケンプラッツ)

晴海と豊洲をつなぐ「豊洲大橋」は一足先にほぼ完成している(写真:ケンプラッツ)
晴海と豊洲をつなぐ「豊洲大橋」は一足先にほぼ完成している(写真:ケンプラッツ)