東京下町を流れて東京湾に注ぐ隅田川の最下流に5月8日、橋長245mのアーチ橋が架かった。2020年の東京五輪では、選手村ができ競技会場が集中する臨海部と都心部とを結ぶ大動脈になる。

起重機船で中央径間を架設した隅田川橋りょう。架設現場はちょうど隅田川と東京港の境界部分にある。対岸に見えるのは築地市場(写真:ケンプラッツ)
起重機船で中央径間を架設した隅田川橋りょう。架設現場はちょうど隅田川と東京港の境界部分にある。対岸に見えるのは築地市場(写真:ケンプラッツ)

 この橋の仮称は「隅田川橋りょう」。隅田川に架かる29番目の道路橋で、東京都市計画道路環状第2号線の一部となる。鋼3径間連続中路式のアーチ橋だ。

 環状第2号線は3月29日、都心寄りの港区虎ノ門から新橋までの1.4kmの区間が開通したばかり。新橋から臨海部へは、トンネルで既存の交差点を抜けた後、築地市場の敷地内で地上部に出て、隅田川を橋で渡る計画となっている。その先の中央区勝どきや晴海、江東区豊洲、有明までは橋や高架橋でつなぐ。東京五輪では晴海に選手村、有明にバレーボールや体操などの競技施設ができる。

隅田川橋りょうの位置。環状第2号線は、並行する晴海通りの渋滞を緩和する役割も期待される。築地市場の敷地内の工事は、市場が豊洲に移転してから本格化する(資料:東京都の資料にケンプラッツが一部加筆)
隅田川橋りょうの位置。環状第2号線は、並行する晴海通りの渋滞を緩和する役割も期待される。築地市場の敷地内の工事は、市場が豊洲に移転してから本格化する(資料:東京都の資料にケンプラッツが一部加筆)