ズームアップ
目次
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日平均掘進9.5m達成の確かな秘策
三陸道新鍬台トンネル工事(岩手県)
長さ3.3kmの道路トンネルが掘削開始からわずか1年半で貫通する。2016年2月には日平均掘進9.5mという記録を打ち立てた。硬岩系の地山で最大4mの長孔発破を実施。ずり出しなどにも工夫を凝らし、サイクルタイムを縮めた。
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卒倒!三陸道トンネル高速掘進の衝撃
岩手県大船渡市と釜石市を結ぶ新鍬台(しんくわだい)トンネルが9月19日、貫通した。施工を手掛ける前田建設工業は、道路幅員12m、長さ3.3kmの大断面長大トンネルを掘削開始からわずか1年半で掘り抜いた。動画を交えてお伝えする。
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Yes, We can! 全長5kmの渡河橋を架け替え
新タッパンジー橋建設工事(米国ニューヨーク州)
米マンハッタンから北に40km。橋の架け替え工事が進む。「Yes, We can!」を合言葉に老朽化したインフラを更新する。巨大なクレーン船などを使い、発注者の見積額を1760億円下回る金額で受注した。
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究極のICT施工へ動き出す
道央圏連絡道路泉郷改良工事(北海道)
建設生産のあらゆるプロセスにICTを導入する「i-Construction」。国土交通省が新たに整備した技術基準や積算基準に基づく第1号工事が始まった。ICT建機を率先して導入してきた施工者は、三次元データによる発注者への納品に期待を寄せる。
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角形鋼管の切り梁で中間杭をゼロに
国道357号東京港トンネル工事(東京都)
東京臨海部に整備中の東京港トンネル。その陸上部の開削工事では、切り梁に角形鋼管を用いる工法を大型の土木工事で初めて採用した。切り梁の座屈を防ぐために設ける中間杭が不要になったことで、工期短縮や躯体の品質向上につながっている。
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阿蘇大橋崩壊斜面に遠隔操作で土塁を築く
阿蘇大橋地区斜面防災対策工事(熊本県)
熊本地震で推定50万m3超の土砂が崩れた熊本県南阿蘇村の山腹。目前の渓谷に架かっていた阿蘇大橋の崩落とともに、同地震の被害を象徴する場所の一つだ。崩れ残った不安定な土砂を捕えるため、2段構えの土塁を築く工事が無人化施工で始まった。
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地下鉄から塩害の弱点を摘出
横浜市営地下鉄横浜─関内間補修工事(神奈川県)
海のそばを通る横浜市営地下鉄ブルーライン。塩分を含む漏水によって、枕木やセグメントの腐食が悩みの種となっていた。横浜市はメーカーと共同で炭素繊維補強材を使った枕木を開発。ライフサイクルコストを重視したリニューアルを進めている。
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ダム堤体をブロック状に切り出す
長安口ダム施設改造工事(徳島県)
運用中のダムに洪水吐きを増設する改造工事だ。堤体の天端から幅11.2m、高さ約29mを切り欠いてスリットを設ける方法を初めて採用した。効率良くコンクリートを撤去するために、複数の解体工法を駆使している。
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部材強化で流れにくい「流れ橋」に
上津屋橋復旧工事(京都府)
大雨で毎年、上部構造が流された「流れ橋」を改修しながら復旧した。橋面のかさ上げや構造部材の改良・強化によって、水害への対応力を高めている。観光資源である「京都の名橋」のイメージ損失を最小限に抑えられるようにした。
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発破でRC柱を倒してダム解体
荒瀬ダム撤去工事(熊本県)
国内初のコンクリートダム撤去事業の舞台として注目を集める熊本県の荒瀬ダム。RC門柱の解体に発破を採用した。発破で門柱を平場に倒壊させた後、さらなる発破で小割りする。前例のない工事を工期内に終わらせるために、解体手順を当初計画から変更した。
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平凡な工事をICTで挑戦の場に
稲戸井土砂整正下流工事(茨城県)
築堤に使う土を管理・掘削・運搬する工事に、ドローンを使った高速・高精度測量やICT建機によるマシンコントロールシステムなどを持ち込んだ。特別な工事でなくとも、工夫できる点は存在する──。この現場の技術者がそのことを示している。
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ニューヨークの地下を発破で掘る
2番街地下鉄建設工事(米国ニューヨーク市)
ニューヨーク市マンハッタン区では、地下鉄2番街線の第1期工事が2016年末に完了する。63丁目から96丁目までの約3.2kmの区間だ。大都市の地下で発破を駆使して巨大な空間を生み出す工事を紹介する。
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水密区間を掘削中に変える
新名神高速道路箕面トンネル東工事(大阪府)
トンネルルートの地上を流れる川の水をトンネルに引き込まないよう、山岳トンネルにウオータータイト構造を採用した。掘削作業と並行して、トンネル坑内から長さ700m超の水平ボーリングを行って地山の状況を判断し、水密性を高める区間を見直した。
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住宅街直近で堰堤19基を施工
広島豪雨災害緊急砂防工事(広島県)
2014年8月に大規模な土砂崩れに見舞われた広島市。被災から1年もたたないうちに複数の砂防堰堤工事が動き始めた。調査や設計を迅速に進め、工事契約の手続きも簡略化した。住宅街を通る工事車両のルートを確保できた点も早期着工につながった。
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新設橋脚で既設橋脚を挟んで撤去
首都高板橋熊野町JCT間改良工事(東京都)
渋滞が発生しやすい首都高速道路の高架橋を拡幅するために「ラケット形橋脚」を造り替える。既設橋脚の前後を、内幅を広げた新たな橋脚で挟み込む。週末の深夜の高速道路上で、架設と解体が並行して進んでいる。
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1万3000本の丸太で地盤固め
検見川浜宅地液状化対策工事(千葉県)
海岸近くに造成中の1万m2を超える分譲住宅地に、丸太をびっしりと打設する。砂地盤の密度を高めて地震時の液状化を抑えるためだ。CO2を吸収し、固定した丸太を長期間地中に貯蔵することで、地球温暖化対策も図る。
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桟橋仮設から始めた堤防復旧
陸前高田海岸堤防復旧工事(岩手県)
東日本大震災の津波で押し流された海岸堤防を復旧する工事だ。着工時、施工現場は地震による地盤沈下で大部分が海の中に沈んでいた。2年前に材料搬入用の桟橋仮設と波よけの鋼矢板打設から始まった現場に、堤防が整い始めた。
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潜入!国内初のトンネル式津波避難施設
日経コンストラクション2015年9月14日号のズームアップでは、国内で初めて整備するトンネル式の津波避難施設の建設工事について掲載する。ここでは、その関連動画として、現場での施工風景を動画で示す。
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新橋駅の軌道支えるレンガアーチをSRCに
新橋駅改良工事(東京都)
約100年にわたってJR新橋駅を支えたレンガアーチ構造を、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造に変える。上部に列車が走る構造物を使いながら、10年掛かりの工事が進む。既存構造物の解体時に生じる挙動には、細心の注意を払っている。
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2時間の登山通勤で始まる月曜日
白山・甚之助谷地すべり対策(後編)
石川県・白山の標高2000mの過酷な環境で進められている甚之助谷地すべり対策。工事関係者は連日、山の上に設けた南竜事務所に泊まりこんで、山から降りずに工事を進めている。