公共施設の管理を一元化すれば、自治体内部の意思統一が図りやすくなり、公民連携のハードルも低くなる。国、自治体、民間企業それぞれの立場から、公民連携における施設管理の重要性を語ってもらった(日経アーキテクチュア)。
〈進行〉黒田 隆明 日経BP社建設局プロデューサー
「公共施設等総合管理計画」が公民連携を活性化する
─「公共施設等総合管理計画」とPPP(官民連携)との関係は?
大和リース・北 PPPを進めるうえでは、自治体内部で合意形成が取れていると非常にありがたい。FM(ファシリティーマネジメント)におけるぶれない方針、マスタープランとして、管理計画をぜひ策定してほしい。
総務省・多田 管理計画をつくっていく過程で、「ダウンサイジングをしなければいけない」といった全体の方向性や、施設の類型ごとの方向性が、まずはある程度見えてくる。それを数値化して、全庁的に情報共有したうえで、個々の施設の具体的な対策を進めることが大切だ。
青森県・駒井 あくまでも私案だが、管理計画の策定に向けては、学校や庁舎など標準的な施設については、大まかな財政収支の見通しを出せばよいだろう。一方、美術館、総合体育館、図書館など大規模施設については、1つひとつ丁寧に長期保全計画を策定し、30年くらいのライフサイクルを見ていくべきだ。