海外からの旅客増に対応

 羽田空港では今年3月末に、昼間の国際線発着枠が3万回から6万回に拡大し、旅客ターミナルの拡張も行われた。さらに長距離国際線の輸送力増強に向けたC滑走路の延伸、夜間駐機場拡充のエプロン整備、乗り換え利便性向上のための「際内トンネル」の整備も進む。

 港湾整備では、東京港全体の混雑解消と施設能力の増強を目指し、中央防波堤外側コンテナ埠頭を整備中。東京臨海部の道路ネットワーク整備も進んでいる。また、臨海副都心において、大型クルーズ客船に対応可能な新客船埠頭開発も港湾計画に位置付けた。

 東京の防災上の弱点である木造住宅密集地域に対しては、木密地域不燃化10年プロジェクトを立ち上げ、不燃化特区、特定整備路線を指定。市街地の不燃化や延焼遮断帯としての道路の完成を急いでいる。

 新たな拠点開発も進んでおり、新橋・虎ノ門地区再開発では都市再生の基軸と位置付けられる環状2号線が、3月に交通開放された〔図1〕。

〔図1〕環状2号線の計画図(総延長14km)
環状2号線では、新橋―虎ノ門間の約1.4kmが今年3月末に交通開放。2020年には晴海の選手村からスタジアムや臨海部の各競技場に選手を輸送する重要なルートになる。都心部の渋滞緩和や臨海部の開発を誘導する都市再生の基軸路線でもあり、開通が急がれる。全線開通は15年度の予定(資料:東京都)
環状2号線では、新橋―虎ノ門間の約1.4kmが今年3月末に交通開放。2020年には晴海の選手村からスタジアムや臨海部の各競技場に選手を輸送する重要なルートになる。都心部の渋滞緩和や臨海部の開発を誘導する都市再生の基軸路線でもあり、開通が急がれる。全線開通は15年度の予定(資料:東京都)

 五輪を契機とした取り組みとしては、2020年に向け形成される臨海部の新スポーツクラスターと、神宮外苑スポーツ施設の建て替え促進により、都民が心身ともに健康を保持できる街づくりを進めていく。

 最後に交通政策について。舛添要一知事は自動車、鉄道、バス、自転車などの有機的連携による新交通体系の確立を目指している。庁内に東京の総合的な交通政策を検討する組織を設け、年末にはビジョンを打ち出していく予定だ。