小田急電鉄は11月21日、今年3月に東京都世田谷区の下北沢駅など3駅を含む約2.2kmの区間を地下に移したことに伴い、地上の線路跡地の土地利用について世田谷区と協議がまとまったと発表した(関連記事)。各駅の駅前広場や駅間の通路は区が整備・維持管理を担い、商業施設やオフィス、住宅を小田急電鉄が整備する。

下北沢駅付近の小田急線地上跡地の状況。11月22日撮影。駅前広場の整備や小田急新駅舎の建設のため、写真奥に見える京王井の頭線は橋を架け替える。軌道を仮受けするために杭を設置する工事などを実施している(写真:ケンプラッツ)
下北沢駅付近の小田急線地上跡地の状況。11月22日撮影。駅前広場の整備や小田急新駅舎の建設のため、写真奥に見える京王井の頭線は橋を架け替える。軌道を仮受けするために杭を設置する工事などを実施している(写真:ケンプラッツ)

 以下は発表資料。


小田急小田原線(代々木上原駅~梅ヶ丘駅間)上部利用の施設配置(ゾーニング構想)のお知らせ!

「にぎわいや回遊性、子育て世代が住める街、文化」をキーワードに、街づくりを進めます。

 小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区 社長:山木 利満)では、代々木上原駅~梅ヶ丘駅間で進めている鉄道地下形式による連続立体交差事業および複々線化事業に伴い創出される鉄道跡地の土地利用(以下「上部利用」という。)について、連続立体交差事業者である東京都、地元行政区である世田谷区、渋谷区と協議を進めてまいりました。今般、世田谷区内の施設配置等について協議が整ったことから、お知らせいたします。

 上部利用では、街の個性・雰囲気を踏まえ「にぎわいや回遊性、子育て世代が住める街、文化」をキーワードに街にあらたな魅力を創出することを目指しています。駅周辺を中心としたゾーンごとに特色を持たせるとともに、世田谷区が掲げる防災・減災のための視点も重視し、同区が整備、維持管理する緑豊かな通路や緑地・小広場、駅前広場にも配慮しています。

 当社では、今後も行政との協議を継続しながら、本計画の推進を通じて、良好な街づくりに貢献するとともに、魅力ある沿線づくりを目指してまいります。
 上部利用の概要は下記のとおりです。

1.計画地 小田急小田原線 代々木上原駅~梅ヶ丘駅間

2.鉄道上部面積 約27,500m2

(連続立体交差事業および複々線化事業に伴う世田谷区および渋谷区内の土地)
 ※交差道路、鉄道施設にかかる面積は除く

3.工期 連続立体交差事業および複々線化事業の進捗を踏まえ、今後決定いたします。

4.計画概要

 「にぎわいや回遊性、子育て世代が住める街、文化」をキーワードに、全体を「文化発信ゾーン」「シモキタショッピングゾーン」「世田谷ライフ発信ゾーン」の3ゾーンに分け、ゾーンごとに設定したテーマに基づき、魅力ある街づくりを進めます。

(1)文化発信ゾーン(東北沢駅周辺地区)

 既存の街の個性・雰囲気と融合する上質なライフスタイルを意識した施設を配置します。新たな生活文化を発信し、街の魅力を高めてまいります。

(2)シモキタショッピングゾーン(下北沢駅周辺地区)

 今後整備される下北沢駅と駅前広場との連続性や、駅からの回遊性を高める多様な店舗を展開し、街に広がりを持たせます。

(3)世田谷ライフ発信ゾーン(世田谷代田駅周辺地区)

 緑と環境をキーワードに、子育て世代をはじめ多世代に支持される上質な住まい等を配置します。

5.整備にかかる役割分担

 ゾーニングに基づく商業、業務、住宅等の施設については、当社の開発事業として整備いたします。各駅の駅前広場、各駅を結ぶ通路、緑地・小広場(立体部含む)については、世田谷区が整備、維持管理いたします。

6.添付資料

 添付資料1・・・施設配置図(ゾーニング図)
 添付資料2・・・上部利用イメージ鳥瞰図

以上

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