大林組は11月18日、ニュージーランドで施工中の道路トンネルを掘削するために、外径14.46m、総重量2500tと世界最大級のシールド機を発進させたと発表した。工事の請負金額は約744億円。
以下は発表資料。
世界最大級の大口径トンネルシールドマシンが発進
ニュージーランド ウォータービューコネクショントンネル
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、フレッチャー・コンストラクション社(本社:ニュージーランド オークランド市)、マッコーネル・ダウエル社(本社:オーストラリア メルボルン市)と共に「ウォータービューコネクショントンネルおよびグレートノースロードインターチェンジ建設工事」 の施工を進めています。
本工事は、総人口の3分の1が集中するオークランド市の渋滞緩和と利便性向上を目的とした、同国最大の道路プロジェクトであり、住宅地域での長さ2.4kmの大口径シールドトンネル施工を含む大規模な工事です。施工で使用するシールドマシンは外径が14.46mと、日本国内のシールドトンネルとの比較では最大の規模、世界的に見ても最大級の規模であり、トンネル技術の粋を結集し施工に取り組んでいるところです。
このたび、着工から約2年間の準備工事を経て、大口径トンネルシールドマシンが、2013年11月8日に発進しました。これに先立ち、10月31日に開催された発進式では、ブラウニー・ニュージーランド運輸大臣、ブラウン・オークランド市長(式典主賓)をはじめ約150人が来場し、現地でも大きな期待が寄せられています。
【発進式典の様子】
当工事への参画に際しては、大林組がこれまで東京湾アクアラインや首都高中央環状新宿線といった国内における大口径シールドトンネル工事において、地盤を沈下させることなく短工期で完成させた実績が大きく評価されました。今後、約23ヵ月の期間にわたる本工事のシールドトンネル工事の施工を進めるに当たっては、これらにより得られたノウハウ・技術を存分に活用するとともに、本工事の施工を通じて大口径シールドトンネルの施工技術・ノウハウをさらに蓄積・進化させていきます。
【工事概要】
工事名称 | ウォータービューコネクショントンネルおよびグレートノースロードインターチェンジ建設工事 |
発注者 | ニュージーランド交通局(The New Zealand Transport Agency : NZTA) |
施工場所 | ニュージーランド オークランド市 |
請負金 | 約744億円(受注時の為替レートにて換算:1NZ・ドル=63.85円) |
契約形態 | 設計施工契約 |
アライアンス(Alliance: 連合組織) |
発注者:ニュージーランド交通局 施工者:フレッチャー・コンストラクション、マッコーネル・ダウエル、大林組 設計者:パーソンズ・ブリンカーホフ(オーストラリア支社)、 ベカ・インフラストラクチャー(ニュージーランド)、 トンキン・アンド・テイラー(ニュージーランド) |
工期 | 2011年11月28日~2017年3月21日(暦日1,940日) |
工事内容 | 高架橋インターチェンジ:4ランプ、総延長 約1,540m シールドトンネル:2,400m双設トンネル、総延長 約4,800m 掘削期間 約23ヵ月 ・シールド形式:泥土圧シールド(気泡) ・掘削外径:14.460m、シールド機長:12.585m ・セグメント外径:14.0m、セグメント内径:13.1m、セグメント幅:2.0m クロスパッセージ(横連絡坑:緊急避難通路および消火設備):150m間隔 開削部:RC杭土留め(南側)、連続地中壁(北側)、総延長 約420m 切盛土工:総延長 約1,240m その他:換気塔、トンネル内交通管理システム、機械電気設備工事 |
【シールドマシン概要】
外径 14.46m、機長 12.585m、重量 2,500t、カッタートルク 6万8,220kNm、総推力 22万8,000kN
シールドマシンは、外径14.46m、総重量2,500tの、世界でも最大級のシールドマシンです。ドイツのシールドマシンメーカー、ヘレンクネヒト社が中国工場にて製作したものですが、海外メーカー製シールドマシンに初めて、大林組が開発したシールドマシンチャンバー内の土砂流動可視化装置を搭載しています。
【計画地】
以上
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