緑の帯で対岸からの夜景を演出
照明計画も、大々的に見直している。
建物を対岸から見ると、左からベーカリーカフェ「ブレッドワークス」、その手前に水上ラウンジ「ティー・ワイ・ハーバー・リバーラウンジ」、右手にティー・ワイ・ハーバーと、タイソンズアンドカンパニーが運営する店舗が3軒並んでいる。改装前の夜は、レストランだけが華やかな印象だった。
そこで、水際にある植え込みに照明器具を仕込んで、暗くなると植え込みの緑が帯状に輝く演出を施した。照明計画を担当したのはソラ・アソシエイツの川村和広氏。氏は「緑のラインによって、店全体に一体感が出る照明計画を提案した」と話す。
改装後の照明は「LEDとハロゲンランプを適材適所で使い分けている。」(川村氏)。例えば、厨房の中の照明やアッパーライト、フットライト、間接光はLED、客席のテーブルを照らすライトはハロゲンといった具合だ。
川村氏によると、ハロゲンを調光すると色温度が下がり、ランプは赤みを帯びる。一方、LEDは通常、白いまま。暗くなると赤い光の方がなごむので、食事する空間を照らすにはハロゲンの方が適しているという。
大改装を終えて、タイソンズアンドカンパニーの寺田心平代表取締役社長は「次の10年を見据えて、これなら行けるだろうと納得できるものをつくったつもりだ」と語る。長﨑氏は「この10年、こうしたいね、と色々と思っていたことをやり遂げた」と満足げだ。
オープンから18年。同店が位置する倉庫街、通称ボンドストリートでは現在、寺田倉庫が夏に向けて、様々なイベントを仕掛けている。地域一丸となった水辺のライフスタイルづくりに今後も目が離せない。