Vol.015 2012年総集編
目次
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業種・業態を越えた「つながり」の可能性
街づくりディスカッション
環境と人が響き合う街づくり「プロジェクト エコー・シティ」を進めるうえで欠かせないのは、立場を越えたつながりだ。メーンコメンテーターの建築家・隈研吾氏をはじめ、設計会社、建設会社、メーカー、研究機関、行政など種々の分野から20人が一堂に会し、つながりの可能性と課題について議論を交わした。
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都市づくりの中で責務を果たしたい
エコー・シティの牽引者たち 山田幸夫氏/久米設計社長
日本に漂う閉塞感の原因を少子高齢化という言葉で説明する向きが多い。それは少し視点がぶれていて、本質は人口減少にどう対応するかだ。こうした社会的な課題に対し、私たちのような総合性を持つ組織設計事務所が総力を結集し、何かできないか。
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建築家と共に新しい価値をつくる
エコー・シティの牽引者たち 森田俊作氏/大和リース社長
坂茂建築設計事務所と我々とで今、海外仮設住宅の共同開発を進めている。詳細は2013年3月に発表する予定だ。私からコンタクトを取り、それに彼が賛同してくれてスタートした事業だ。
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水インフラを全体で考える
エコー・シティの牽引者たち 西岡利明氏/三栄水栓製作所社長
「つながり」は、当社の活動に欠かせない要素だ。我々が扱う水栓金具を、もしも単体の商品として開発すれば、周囲の空間から浮いてしまうケースが出てくるだろう。デザイナーとの共同作業では、それらが取り付けられるキッチン、バス、トイレ、洗面所のみならず、ホテルや事務所、住宅など空間全体とのバランスを常に意識し…
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街にもパッシブデザインを
エコー・シティの牽引者たち 飯田祥久氏/OMソーラー社長
太陽熱利用と太陽光発電のハイブリッドである「クワトロソーラー」を2012年に発売し、注文ベースで年間200棟ほどを売るヒット商品になった。ハイブリッドの効果を享受できる商品は、あまりない。補助金の後押しと同時に、その点が特に設計事務所や工務店に注目された理由だろう。新規でOMソーラーの会員になりたい…
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技術に横串を通して持続可能なPVを
エコー・シティの牽引者たち 奥地誠氏/奥地建産社長
PV(太陽光発電システム)の普及が急速に進み、いろいろな問題点が見えてきた。
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多様な技術を調和させてほしい
エコー・シティの牽引者たち 中山賢一氏/小松精練会長
主に衣料品に関わるファブリックのメーカーである私たちが、建材の製造と販売に乗り出して感じるのは、建設業界が極めて保守的であるということだ。保水性の高い多孔セラミックスパネルを用いる緑化基盤「グリーンビズ」は、著名な建築家を含む設計者の方々に機能を認識してもらい、東京の百貨店やオフィスの屋上緑化をはじ…
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「環境配慮で世界競争に勝つ」三菱地所
編集長インタビュー 合場直人氏/三菱地所常務執行役員
大手町、丸の内、有楽町。世界の先端企業が集約する東京都心部のオフィス街に、環境配慮をどう絡めていくか。この地域の開発と運営に長く携わってきた三菱地所の合場直人氏が、現在の取り組みと課題を語る。
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「官民に利点があるストック活用を」国交省
編集長インタビュー 花岡洋文氏/国土交通省大臣官房審議官
厳しい財政事情のなかでのインフラ整備のあり方として国土交通省が注目するのは、都市構造のコンパクト化だ。このコンパクトシティを実現していくためには、立場を越えた人々が連携し、メリットを共有することが大切だ、と花岡洋文氏は考えている。コンパクトシティ普及に向けてクリアすべき課題はどこにあるのか。
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「もっと地方に委ねよ」内藤廣氏
編集長インタビュー 内藤廣氏/建築家、東京大学 名誉教授・総長室顧問
周辺環境や街の将来像を見据えて、公共や民間の施設を企画、設計してきた建築家は、単独の「作品」を手がけるだけでなく、その幅広い知識や経験を、街づくりそのものにも発揮できる。全国各地で中心市街地の活性化などに取り組んできた内藤廣氏に、より良い街づくりのための、建築家の関わり方を聞いた。