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Vol.028 減災の視点で 都市を考える

大学と建築技術者こそ、減災連携の中心に

名古屋大学減災連携研究センター長・教授 福和伸夫氏

2014/10/01

福和伸夫(ふくわ・のぶお)氏 名古屋大学減災連携研究センター長・教授 1981年3月、名古屋大学大学院工学研究科修了。同年4月、清水建設入社。1991年4月、名古屋大学工学部助教授に就任。その後、同大学先端技術共同研究センター教授などを経て、2012年1月から同大学減災連携研究センター長・教授、環境学研究科教授を兼務。専門は建築耐震工学、地震工学、地域防災(写真:車田 保)

名古屋大学の福和伸夫教授は、減災のポイントは国や自治体ではなく個人の自助だと語る。また、建築技術者には、地域で自ら減災活動を実践することが「信頼される建築技術者像」をつくり上げるのだと説く。

――なぜ名古屋で防災・減災に取り組んでいるのですか。

福和 根っからの名古屋人ですから、地縁・血縁のある名古屋を守らなければならないという気持ちが強いですね。もう1つ、我が子のことも考えています。子どもたちが不幸せにならないようにするには、社会が安全になるしかありません。

――建築構造を専門としながらも、そこにこだわっていないように見えます。

福和 痛感したのは、国も自治体も力がないということです。結局、自助が減災の決め手になるのです。つまり、土地利用の見直し、建物の耐震化、家具の転倒防止、備蓄、そして、いざというときのために周りの人と仲良くしておくということです。

大学は産官学民の仲人役

――これまでの様々な活動は、自助の意識の啓発につなげるものが多いですね。

福和 建物の揺れのメカニズムを知ってもらうために開発した教材「ぶるる君」を携え地域に出向いたり、内閣府の「災害被害を軽減する国民運動」に関わったりしました。

 産官学民の連携に向け、様々な人材育成の取り組みも始めました。「防災・減災カレッジ」や「NSL(マスメディアと研究者による地震災害軽減に関する懇話会)」などです。

■ 名古屋大学減災連携研究センターによる主な人材育成プロジェクト

 愛知県、名古屋市、名古屋大学、名古屋工業大学、豊橋技術科学大学などで組織する「愛知建築地震災害軽減システム研究協議会」では、耐震工法の認定など専門分野を生かした取り組みも進めています。協議会ではそのほか、「耐震化アドバイザー養成講座」を開き、建築業界のOBを中心にこれまでに500~600人のアドバイザーを育てました。住宅の耐震改修について、中立的な立場で専門的な助言を行う人材を育成しています。

 実はリーマンショック後の2008年ごろ、地元の財界人からこんなふうに注文されたんです。

 「このままでは名古屋の活性化が望めない状況なのに、大地震が来る来るとあおると、企業も人もいなくなってしまう。大地震が来るなら、むしろそれを逆手に取って、名古屋がもっと活性化するような取り組みを(大学が中心になって)やらなくてはいけない」

 そうしたことから、減災連携研究センターを構想し、2010年12月にスタートできました。このセンターは、研究や人材育成などを通じて産官学民が連携して地域の減災を推進するための仲人役を自認しています。

茂木俊輔=ライター日経アーキテクチュア

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