オフィスビルの環境配慮設計は、先端技術で重装備した事例から、一般的な技術をちりばめた普及版へと広がりを見せている。横浜アイマークプレイスでは、吹き抜けの活用やLED照明の導入などで省エネルギー化を図りつつ、その成果をテナントに還元する仕組みを取り入れた。
「建設費が賃貸料に反映されるテナントビルでは、高コストとなる先端的な技術による重装備はできない。そこで、一般的な技術を積み重ねながら効果的な省エネを目指した」
横浜アイマークプレイスの設計を担当した清水建設の五ノ井浩二・設計本部商業・複合施設設計部グループ長は、設計方針をこう話す。細かな工夫を重ねた結果、1次エネルギー消費量低減率(ERR)で36.6%、CASBEEで自己評価Sランク相当を達成した。
清水建設は2012年以降、平常時の節電・省エネと非常時の事業継続を両立させる「ecoBCP」という考え方を掲げてきた。横浜アイマークプレイスも、この方針で設計を進めた(図1)。