市民参加型ファンドで太陽光、地元工事店も育てる。

 紫波町の循環型まちづくりの取り組みとして、太陽光発電の屋根貸し事業「紫波町市民参加型おひさま発電事業」が始まった。小学校、鉄道駅舎など町の公共施設11カ所に太陽光発電システム(合計出力1116kW)を設置、順次工事を進め、2015年度からフル稼働予定だ。公募の結果、紫波グリーンエネルギー(紫波町)など3社によるグループが事業を実施する。資金の一部は、全国から市民出資者を募る「紫波ゆめあかりファンド」で調達。売電収入から配当を行う。

図7 「紫波ゆめあかりファンド」の仕組み
紫波中央駅舎(写真)、小学校、公民館など公共施設11カ所の屋根に太陽光発電システムを設置してファンドを運営する(資料:サステナジー、写真:日経アーキテクチュア)
紫波中央駅舎(写真)、小学校、公民館など公共施設11カ所の屋根に太陽光発電システムを設置してファンドを運営する(資料:サステナジー、写真:日経アーキテクチュア)

 設備工事費約3億1000万円の2割以上をこの市民ファンドで集めることが町との契約条件だったが「14年5月までの募集期間中に約7700万円の市民出資を集め、条件はクリアした」(紫波グリーンエネルギーの山口勝洋代表取締役)。

 メンテナンスも含め、工事は地元企業に発注する。「EPC(設計・調達・建設)を一括発注すれば楽だったが、あえてそうせずに自分たちで設計し、仕事を分解して地元企業に発注してノウハウを移転していく」(山口氏)という。