岩手県中央部に位置する紫波町。人口約3万4000人弱の自治体が進める駅前開発事業「オガールプロジェクト」が全国から注目を浴びている。遊休状態だった町有地にサッカー場、官民複合施設などを集積して賑わいを生み出した。ここに57戸のエコ住宅街区が生まれようとしている。
(1)年間暖房負荷48kWh/m2以下、(2)相当すき間面積(C値)0.8cm2/m2以下、(3)構造材における町産木材の利用率80%以上――。岩手県紫波町で開発が進む住宅街「オガールタウン日詰二十一区」(以下オガールタウン)の宅地分譲の条件だ。
オガールタウンは、町有地を紫波町が直接、宅地として分譲する。町が独自に定めた「紫波型エコハウス基準」(前記(1)~(3))を満たす住宅を建てること、町が指定する事業者と建設工事請負契約を締結することなどが宅地分譲の条件だ。健康で快適に過ごせる高性能なエコ住宅の普及と、地域の林業や住宅産業の活性化を推進する。
建設事業者には16社を指定している(2014年5月末時点)。エコハウス基準や景観協定などオガールタウンの方針を理解した地元建設会社や工務店を、紫波町が指定する(図1、2)。
2013年10月、まずは全57区画のうち8区画を売り出し、14年5月末時点で3区画が売約済みとなっている。6月中にも第1号の住宅が着工予定だ。