患者の満足度に徹底して目を向け、施設や設備の向上につなげる

【導入の歩み】
QI(品質指標)の導入によって医療の質を“見える化”し、その専門チームがFMも担い、ホスピタリティの向上を図ってきた。

【主要な狙い】
QIをもとに国際認証を取り、常に高い医療の質を維持し、環境面を含めて患者満足度を高める。さらに多角的な診療やサービスに備える。

【組織の体制】
施設課を中心に多様なメンバーによるチームをQIセンター内に編成し、細かい気付きや患者の不満を、中長期の施設管理や設備更新に生かす。

聖路加国際メディカルセンター施設課チーフの小原達矢氏(左)と聖路加国際大学聖路加国際病院QIセンターの小迫正実氏。EOCチームのうち、小迫氏のみQIセンターに専任でかかわる(写真:澤田聖司)
聖路加国際メディカルセンター施設課チーフの小原達矢氏(左)と聖路加国際大学聖路加国際病院QIセンターの小迫正実氏。EOCチームのうち、小迫氏のみQIセンターに専任でかかわる(写真:澤田聖司)

 「掃除方法に問題はないか」「掃除のしにくさは何が原因か」「患者の不満につながらないか」など、患者の入室時間も間近な病室で数人の職員が問題の指摘や確認、その対策や解決方法を議論する。メンバー個々の立場から発言が続く。これはEOC(Environment of Care:医療環境管理)チームによる活動の一環で、月2回、ミーティングと院内ラウンドを行っている(EOCチームの写真)。備品や機器の管理、院内感染予防、防災・セキュリティー、患者や職員の快適性などについて、PDCAに則って実施してきた。

 さらに、福井次矢院長の司会で毎朝「患者ご意見対応ミーティング」を行い、「中長期の視点を持ち、かつ迅速に患者の困っている状況を改善している」と聖路加国際メディカルセンター施設課マネジャーの小室克夫氏は、患者第一の姿勢であることを強調する。