(2)水産業

 世界の人口は増加しているため、1人当たりに必要な水の量に変化がないと仮定しても、全体として必要な水の量は増加していく。また、経済発展に伴って都市化、工業化が進むと工業用水が増えるだけでなく、都市の生活レベルの向上によって、1人当たりの生活用水の使用量も大きく増加する。その結果、2025年には、2000年と比較して約30%、2015年比では約20%の需要増が予想されている。特にアジアは世界に必要とされる水の60%近くを占めており、今後も水の使用量が大きく増加していく。そのため、アジアを中心として、今後の水不足が大きな問題として認識されている。

(図1)世界の水ビジネスの市場規模(推計)
世界の水ビジネスの市場規模(推計) 出所:経済産業省<br />『インフラ産業2014-2023』(日経BP社)
出所:経済産業省
『インフラ産業2014-2023』(日経BP社)

 水ビジネスはすそ野が広く、市場規模も大きいと言われており、世界全体の市場規模は111兆円と推計される。ボリューム・セグメントとしては上下水道が大きい。しかし、今後伸びる分野としては、例えば再生利用水に関しては現状1000億円程度の市場が、2025年には2.1兆円程度まで成長する。海水淡水化も現状では0.5兆円程度であるが1兆円規模まで倍増が期待できる。さらに、管理・運営サービスまで含めると0.7兆円から3.4兆円と大きく伸びると予想される(図1)。