試行錯誤をして2万円程度でつくり上げた、お手製の住まいの床下点検メカ。実際に床下に解き放ち、その実力を試してみた。なお、製作過程については、記事「2万円で住宅向けの床下点検メカをつくってみた」を参照してほしい。

 簡単に、手づくりした床下点検メカをおさらいしておこう。

 ベースとしたのは、おもちゃのラジコン戦車(5630円)だ。これに、無線でパソコンに映像を送信できるカメラ(9800円)を装着。さらに、暗い床下を照らし出す、小型のLEDライト(2980円)を取り付けた。そのほかに用意した、粘着材とロープを合わせると、合計2万213円。2万円は若干上回ってしまったが、ほぼ予算の目標はクリアできた。

2万円程度の予算で作成した床下点検メカ。おもちゃの戦車をベースとした(写真:安井功)
2万円程度の予算で作成した床下点検メカ。おもちゃの戦車をベースとした(写真:安井功)

床下収納庫から侵入

 早速、実力を試してみよう。手づくりの床下点検メカをテスト走行させる場所は、東京都内にある木造住宅。ハウスメーカーが15年前に建てた建物で、新築以来、一度も床下の点検が行われていない状態だ。このため、基礎の状態がどうなっているかは不明。床下点検メカを稼働させるのにはうってつけの状況だ。

 床下に入るための点検口がないため、納戸にあった床下収納庫から点検メカを投入することにした。収納庫の蓋を開け、収納ボックスを取り外したところ、問題なく床下にアプローチできることが分かった。

 目視で床下をのぞくと、表面に砂のようなものが積もっているのと、いくつかのゴミがあることが確認できた。砂は、基礎部分にある外気を取り入れるための床下換気口から舞い込んだと考えられる。ゴミは、配管の端材やくぎ、紙やすりといったものだった。きっと建築時に落ちたままなのだろう。

納戸にあった床下収納庫を開け、収納ボックスを取り外した状態。床下につながっており、ここから点検メカを投入できることが分かった(写真:安井功)
納戸にあった床下収納庫を開け、収納ボックスを取り外した状態。床下につながっており、ここから点検メカを投入できることが分かった(写真:安井功)
床下収納庫の口から床下をのぞいた様子。納戸は建物北側の角にあり、写真で撮影した方向に和室がつくられている(写真:安井功)
床下収納庫の口から床下をのぞいた様子。納戸は建物北側の角にあり、写真で撮影した方向に和室がつくられている(写真:安井功)

床下に落ちていた、配管の端材。作業の後、そのままにしていったようだ(写真:安井功)
床下に落ちていた、配管の端材。作業の後、そのままにしていったようだ(写真:安井功)
紙やすりも落ちていた。作業をした際に落としたのだろうか。ほかに、くぎなども数本落ちていた(写真:安井功)
紙やすりも落ちていた。作業をした際に落としたのだろうか。ほかに、くぎなども数本落ちていた(写真:安井功)