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デジタルライブラリー

CASBEE入門

2011/02/01

コンテンツ ページ数 価格 日経アーキテクチュア・プレミアム会員向けファイル
前書き・目次 9 無料 [公開中] [公開中]
第1章 建築のサステナビリティと環境性能評価 14 本体200円+税 [無料公開中]
第2章 サステナブル建築を巡る国内外の動向 18 本体200円+税 [無料公開中]
第3章 建築物の環境評価手法を巡る動向 18 本体200円+税 [無料公開中]
第4章 CASBEEの理念と枠組み 36 本体400円+税 [無料公開中]
第5章 CASBEE-新築の採点システム 20 本体200円+税 [無料公開中]
第6章 CASBEEによる試行評価の事例 40 本体500円+税 [無料公開中]
第7章 施策・実務・教育へのCASBEEの活用 14 本体200円+税 [無料公開中]
第8章 自治体によるCASBEEの導入 10 本体100円+税 [無料公開中]
第9章 CASBEEの評価認証制度と評価員登録制度・後書き 8 本体100円+税 [無料公開中]
資料編 12 本体100円+税 [無料公開中]

 このコンテンツは、2004年に発行した日経アーキテクチュアの書籍「CASBEE入門」を、章単位のPDFファイルで復刻したものです(デジタルライブラリー)。第1章の抜粋をこのページの末尾に掲載しています。

 日経アーキテクチュア・プレミアムに限定して、追加料金なし(ページ数制限の対象外)でご覧いただけます。

 デジタルライブラリーについての詳細は[こちら]をご覧ください。


CASBEE入門
CASBEE入門

定価:本体1,800円+税
村上周三ほか著/JSBC(日本サステナブル・ビルディング・コンソーシアム)編
A5判 204ページ
ISBN:4-8222-0467-7
商品番号:160230
発行日:2004年10月4日 ※紙の書籍としては販売を終了しています。

 CASBEEは建築物の環境性能を診断・格付けする革新的な評価システムだ。地球環境に貢献するサステナブル建築の開発・普及を促進する仕組みとして世界的に注目されている。国内の自治体も建物計画時にCASBEEによる環境性能評価を義務付け始めた。建築物の資産価値を評価するツールとしての活用も期待されている。

 本書は、CASBEEを平易に解説した初の入門書である。設計者や行政関係者だけでなく、一般のビルオーナーから市民までが幅広く利用できるようにした。図版をふんだんに使って構成し、具体的な活用方法や評価事例も盛り込んでいる。


第1章から抜粋

地球の有限性の認識と危機感の高まり

 20世紀の最大の特徴は、科学技術が発展し、産業の近代化が推進され、大量生産・大量消費による経済活動の飛躍的な拡大がもたらされたことです。しかし、一方では、その結果としてもたらされた地球環境問題に対する明確な意識が芽生え、地球環境の有限性の認識と、将来の破局に対する危機感が高まった時代でした。

 地球環境問題への最も早い指摘のひとつとして、1962年のレイチェル・カーソン「沈黙の春」をあげることができます。また、1972年にローマクラブが発表した報告書「成長の限界」では、環境悪化や人口増加などの傾向が続けば50年以内に地球上の成長は限界に達すると警鐘を鳴らし、地球の破局を避けるために、成長から均衡へと移っていくことの必要性を訴えました。1970年代に起こった原油価格の急激な高騰は、「オイルショック」といわれ、世界経済に大きな打撃を与えました。日本でも“狂乱物価”や“マイナス成長”を経験しました。このオイルショックを契機に産業界、政府・自治体、学界などを中心に「省エネルギー運動」が展開されました。

“持続可能性”の推進が大きな課題

 1987年には、国連人間環境会議に設置されたブルトラント委員会による報告書「Our Common Future (我ら共有の未来) 」の中で“sustainable development (持続可能な開発) ”という言葉が初めて使われました。1990年代になると、砂漠化や野生生物の減少、地球温暖化など地球環境全体に関わる環境問題の深刻さが顕在化し、遅ればせながら事態への対応が国連などを中心に世界的に進められるようになりました。1997年の「地球温暖化防止に関する京都議定書」の採択もその一環です。一方、1995年にはワイツゼッカーらにより“ファクター4”が発表されています。このように、サステナビリティ(持続可能性)の推進は、今や人類に与えられた大きな課題となっています。とくに建築分野は、大量の資源・エネルギーを消費しており、建築分野のサステナビリティを推進するために、具体的な技術手段、政策手法を開発しなければなりません。

サステナビリティとは

 国連・ブルトラント委員会における「我ら共有の未来」の発表以来、“サステナブル・ディベロップメント(持続可能な開発)”は地球環境保全のキーワードとして広く使われるようになりました。サステナブル・ディベロップメントの定義としては、たとえば次のようなものがあります。

(1)『将来世代の人々が彼ら自身のニーズを満たせることを前提に、現在の人々の基本的なニーズを満たし、かつ人々がより良い生活を求める機会を増やすこと」(ブルトラント委員会、1987年)

(2)『基盤となるエコシステムが保有するキャパシティの中で生活するという前提条件の下で、人間の生活の質を改善させるための発展」(IUCN〈国際自然保護連合〉、1991年)

 また、環境倫理学の分野では、(1)世代間倫理(現在世代の将来世代に対する責任)、(2)地球の有限性(宇宙船地球号の考え方)、(3)自然の生存権(人類を含むすべての生物種の生存の権利)をサステナビリティの主要な要件としています。これら3つの要件は、いずれも地球環境問題の本質をとらえたものであり、ここに「サステナビリティ」の基本的条件が示されています。

サステナビリティのための“目標とする環境モデル”の設定

 地球環境問題対応の基本姿勢は、環境汚染や自然破壊などの環境負荷を極力小さくし、持続可能なエコシステムの構築を図ることです。しかし、大量消費文化以前の時代の生活環境やライフスタイルに戻ることは容易ではありません。また、技術文明の恩恵を一方的に放棄するのも、現実的ではありません。

 そこで、私たちは、どの程度までライフスタイルに対する制約を受け入れられるかについて予測・検討し、大量生産・大量消費に代わる新しい脱物質化の環境モデルをつくる必要があります。社会的合意に則ってライフスタイルを転換することが求められます。そして、転換された環境モデルに沿ってサステナピリティを推進することが大事です。

 環境モデルをつくるにあたっては、「時間スケール」と「空間スケール」の2つの視点が重要です。たとえば“脱石油文明”は、誰も異論のない自明のことです。しかし、一度にすべて太陽エネルギーなどの自然エネルギーに転換することは不可能です。したがって、“脱石油文明”のためには、短期(10年前後)、中期(30~50年)、長期(100年)といった時間スケールに対応した環境対策モデルを持つ必要があるのです。

 もうひとつは、空間スケールを考慮することです。地球環境問題の対策は、最終的には地球スケールで集約されるとしても、個々の問題を地球スケールで集約しても因果関係が不明瞭で、具体的対応を困難にすることが多いものです。たとえば、建築空間、地域空間、都市空間、地球空間というように、さまざまな空間スケールにおいて境界条件を明確にし、そのスケールごとに現象を把握して対策の行動計画をつくることが合理的であり、望ましいのです。

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