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ケンセツ的視点

リニア新幹線の審議で見えてきた問題点

2010/10/05

中間駅の建設費は誰が負担するのか

 ルートの問題が解決に近づく一方、駅については多くの課題が残されている。

 JR東海にとってリニア新幹線を建設する意義は、東名阪の3大都市を高速に結ぶことにある。駅の建設費については、3大都市のターミナルは自己負担とする一方、その他の中間駅は受益者となる地元に負担を求めている。経由地の知事からは、JR東海に負担を求めたり、国を交えての協議を求めたりする声が相次いでいる。

 リニア新幹線は柔軟なダイヤ編成を可能にするため、中間駅では2本のホームと4本の路線を設置することを想定している。幅40m・長さ1kmと大規模になる。設置費用は、地上駅の場合で350億円、神奈川と奈良で想定している地下駅の場合は2200億円にも上る。自治体にしてみれば、路線建設費はJR東海任せにでき、並行在来線の経営を引き受けるといった問題も発生しないので、整備新幹線に比べれば負担は軽い。とはいえ、どの自治体も財政が厳しい。

 神奈川の場合は話が複雑だ。駅の想定地である相模原市域は、東京都の八王子市や町田市に隣接しており、神奈川県以外からも多数の利用が見込まれる。こうしたなかで神奈川だけが2200億円を負担するのは県民の理解が得られるのかと、松沢成文知事が問題提起した。

 さらに神奈川県はリニア新駅に加え、東海道新幹線についても県南部の寒川町倉見地区に新駅設置をJR東海に求めた。2つの新駅をそれぞれ北のゲート、南のゲートとして位置づけ、両者を建設中のさがみ縦貫道路でつなぐ。神奈川県では企業誘致施策「インベスト神奈川」を打ち立てている。2004年度から09年度までに誘致した130社のうち80社以上が、縦貫道が通る県央地域に立地しており、さらなる誘致をもくろむ。

山梨県内でリニア新駅を誘致する4地域。○で囲んだ。御坂山と大菩薩嶺の西側に当たる国中では3地域、東側に当たる郡内では1地域と、計4地域が名乗りを上げている (地図提供:マピオン (c)Yahoo Japan)

 JR東海は、リニア新幹線の高速性を維持するため、駅は1県につき1駅だけ設置する考えも示している。これに対し山梨県は、複数駅の設置を検討するようJR東海に求めている。県内では甲府盆地の3カ所(国中地方)と県東部(郡内地方)の計4地域で駅設置の要望がある。甲府盆地と県東部とは御坂山地で隔てられており文化も若干異なる。候補地を1カ所に絞り込むとなれば、苦渋の選択を迫られるだろう。

高槻 長尚ケンプラッツ

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