消費者が、木材の品質や性能を求めるようになってきた。下のグラフは、木と住まい総合研究所が「2010年住まいの耐震博覧会」に来場した見込み客1057人に実施したアンケートの回答だ。「木材にどのような特徴を求めるか」と聞いたところ、7割が「品質・性能」と答えた。

●見込み客の7割が木材の「品質・性能」を求めている
建材商社のナイス(横浜市)が、2010年3月末に東京ビッグサイトで開催した「2010年住まいの耐震博覧会」で、来場者1057人に実施した調査から。質問は「木材にどのような特徴を求めるか?」(資料:木と住まいの総合研究所)

 
 建築のプロも、木材の品質や性能を求めている。日経ホームビルダーがケンプラッツ登録者である建築のプロ247人に、木材への不満や疑問を聞いたところ、乾燥材に対する「割れや収縮、変形、もろさ」がトップになり、「材の品質基準・品質管理・ばらつき」がそれに続いた。

●KD材への疑問や不安がトップに
ケンプラッツに登録する建築実務者247人を対象に、2010年8月に実施したアンケート結果から。質問は「木材への疑問や不安内容は?」(資料:日経ホームビルダー)

 ところが、市場には品質や性能の不明瞭な製材があふれている。品質や性能を規格に基づき確かめて、表示しているJAS製材は、市場に流通する製材全体のわずか2割だ。構造用集成材はほぼ100%がJAS材であることと比べて、極めて低い割合だ。

 JSA材の品質や性能基準に課題がないわけではない。しかし、JAS材を使うことが木材の不満や疑問を減らす第一歩のはずだ。