消費者が、木材の品質や性能を求めるようになってきた。下のグラフは、木と住まい総合研究所が「2010年住まいの耐震博覧会」に来場した見込み客1057人に実施したアンケートの回答だ。「木材にどのような特徴を求めるか」と聞いたところ、7割が「品質・性能」と答えた。
建築のプロも、木材の品質や性能を求めている。日経ホームビルダーがケンプラッツ登録者である建築のプロ247人に、木材への不満や疑問を聞いたところ、乾燥材に対する「割れや収縮、変形、もろさ」がトップになり、「材の品質基準・品質管理・ばらつき」がそれに続いた。
ところが、市場には品質や性能の不明瞭な製材があふれている。品質や性能を規格に基づき確かめて、表示しているJAS製材は、市場に流通する製材全体のわずか2割だ。構造用集成材はほぼ100%がJAS材であることと比べて、極めて低い割合だ。
JSA材の品質や性能基準に課題がないわけではない。しかし、JAS材を使うことが木材の不満や疑問を減らす第一歩のはずだ。