ケンセツ的視点

PPPをめぐる熱い思いと冷めた目

2010/03/10

PPP
PFI
官民連携
政府系ファンド
津村啓介
民主党政権
経団連
日建連
福田隆之
前原誠司
建築業協会

 PPP(ピーピーピー)と言われてピンとくる人は、まだ少ないだろう。辞書でPPPを引くと、いくつかの言葉が出てくるが、ここで話題にしたいのはPublic Private Partnership(パブリック・プライベート・パートナーシップ)のPPPだ。日本では「官民連携」「公民連携」「官民協働」などと訳されている。

 小泉内閣時代の2002年には、経済産業省が「日本版PPPの実現に向けて」という報告書をまとめた。そこでは市場での競争を目的として、民間委託、PFI(Private Finance Initiative:民間資金を活用した社会資本整備)、独立行政法人化、民営化など、公共サービスの民間開放を目指した。

 時を経て政権が交代し、PPPに再び注目が集まっている。国土交通大臣に就任した前原誠司氏は成長戦略会議を招集し、09年11月16日の会議でPPPの検討を指示した。そのときの発言が、議事録に残されている。

 「実はきょう、事務方にPPP、PFIの検討を指示しました。要は公共投資をする際に、借金ばかりあって金がないわけです。それで、なかなか税金で公共投資ができない。そして維持管理もままならないという状況に、これから入っていくわけでありますけれども、世界を見渡したら、国家ファンド、ソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)を含めて、あるところには金がある。そこで、例えば維持管理も含めて、PFIのやり方をもっとうまくやっていけば民間資本でできるので、別に税でやる必要はない。ましてや借金でやる必要はなくなります」

 PPPは幅広い概念だが、国交省が検討対象とするPPPは「資金調達」を強く意識したものであることが伝わってくる。

 先の成長戦略会議で前原国交相は、「最終的には国土交通省にとどまらないものになろう」と発言した。その言葉どおり国交省の成長戦略は、ほどなく政府の成長戦略に反映されることになる。政府が09年12月30日に発表した「新成長戦略」には、投資効果の高い大都市圏の空港、港湾、道路などの整備を実現する手段として、PFIやPPPを積極的に活用することが盛り込まれた。

 国交省の成長戦略会議におけるPPPのブレーン役は、野村総合研究所の福田隆之氏が務めている。福田氏は内閣府の「PFI推進委員会」にもオブザーバーとして参加。さらに、整備新幹線などの整備にPPP手法を用いることを検討する国交省の調査委員会(鉄道整備におけるPPP等による民間資金の活用方策に関する調査委員会)の座長にも就任した。

 福田氏は2月に掲載したケンプラッツのインタビューで、PPPの必要性を分かりやすく解説した。ざっくりとまとめれば、次のような話だ。インフラ整備に、従来のようにお金を使うことは難しい。世の中には、ミドルリスク・ミドルリターンの金融商品を求める投資家がいる。インフラを投資対象にできれば、民間資金を使った整備や維持管理に道が開ける可能性がある。

「使用頻度の高いものはもう出来上がっている」


菅 健彦ケンプラッツ

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読者のコメント (2 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
欧米でもPPPは必ずしも成功していない。例えば、英国ロンドンの地下鉄設備更新事業は悪戦苦闘、ついに2012年のロンドン五輪には間に合わない状況となった。PPPの導入が希望的観測や責任転嫁に終わらないことを望む。
(虫眼鏡 2010/03/12 20:05)

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清水建設の野村会長
「日本にあるPFIで、本当の意味でのPFIがあったかというと疑問だ。形を変えた年賦のように思う」これがまさにこれまでのPFIであった。収益の上がる事業は官で独占し、天下りを配置した特殊法人に行わせてきた。そこが非効率になってきた原因で、その意味で、道路、鉄道、空港、港湾などをPFI(PPP)で行えるように規制を撤廃させることが重要である。しかしそれらの事業には、特別会計が絡んでいたりする、それらの仕組みから廃止することが重要である。また、鉄道などは、欧州のように上下分離を徹底しないと、民間の参入は難しい。逆に道路などは上下分離で収益に不利な部分すなわち、橋脚などの構造物を除いたものだけが、国の資産として残されている。表面舗装と経営権だけが各道路会社に移管されています。こんなおかしなことでは、民営化とは言えません。又民間が道路を構造物から作って、これまでの道路公団の民営化会社と競争できるでしょうか?空港なども、乗り入れ航空会社の枠を国が押さえて許認可権を持っている状態でPPPは成り立ちません。いい例が、スカイマークに対する海外便に対する規制など、枚挙に暇がありません。単にPPPを検討するだけでなく、その周辺にある、規制体質、規制そのもの、を解消しなくては、とても世界レベルでの民営化はおぼつきません。空港については、首都圏空港の能力増強が後手に回った大枠の政策の誤りが、地方空港の赤字などの原因となっているのです。遅ればせながら、羽田のハブ空港化を始めましたが、これで国内便が減少させられたのでは意味がありません。
その意味で、第三空港を急がねばならないのです。空港は巨額の費用をかけないで出来る荒川河川敷に作る案があります。これであれば、採算性も高く、PPPで実現できます。しかしこれも、河川法などの規制の問題があります。
(マッケン 2010/03/10 13:29)

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