2010年の建材・設備分野では、エコリフォーム製品が注目を集めそうだ。理由のひとつは、民主党政権が「エコ」をキーワードに住宅産業の活性化を狙っていることだ。09年12月の緊急経済対策で導入を決めた住宅版エコポイント制度では、詳細を年始にあわただしく発表するなど、現政権が力を入れていることがうかがえる。

 もうひとつの理由は、09年の新設住宅着工が1月から11月までの累計で約72万戸と、年間累計が80万戸前後にとどまるのが確実なことだ。建材・設備メーカーは、リフォーム需要をますます意識して製品を提案してくるだろう。ということで、エコリフォームをキーワードに2010年、注目の製品分野を予測してみる。

 注目を集める住宅版エコポイント制度は、サッシメーカーと断熱材のメーカーにとっては大きな話題だ。主要サッシメーカーのうち、トステムYKK AP新日軽三協立山アルミの4社は、自社のウェブサイトに住宅版エコポイントの特設ページを設け、制度の紹介に加え「対象予定商品」を並べてアピールする。

 なかでも注目されるのが、内窓だ。新築に限らずリフォーム需要も期待できる。既存のサッシの内側に設置するので、1カ所あたり1時間程度で取り付けができる製品もあるなど、手軽なエコリフォーム製品として注目されている。

 断熱材は、外装材を撤去して充てんする場合が多いため、「手軽に」というわけにはいかない。だが、居住者が全面的にリフォームすると決断すれば工事金額が高額になる。それだけに、経済波及効果も大きい。

 グラスウール大手の旭ファイバーグラスは、2月から札幌を皮切りに全国15都市で「住宅版エコポイントの講習会」を開催する。エコポイント制度の申請方法や、次世代省エネ基準を満たす設計・施工方法などを解説するものだ。ダウ化工は、同社のウェブサイト上で登録予定商品をリストで紹介している。今後、工務店や設計事務所向けに、こうした情報を充実してくると考えられる。