「成長戦略会議で発表したい」

 こうした構想を、今日初めて正式に大臣に説明させていただきまして、大臣も非常に興味を持って聞いてくださいました。この構想が素晴らしいから一緒に検討しようというところまでは、今すぐにはいきませんでしたが。いま神奈川県の呼びかけで千葉県と超高速鉄道の検討協議会というのをスタートさせました。それで研究を始めています。そこに国交省のスタッフが参加していただけないか、私たちの議論を聞いていただいてアドバイスをいただけないか。オブザーバーでの参加をお願いしたいと、要望しました。一緒に研究していきましょうというところですね。すぐに実現という決断は難しいとしても。

 2つ目に、大臣がつくった「成長戦略会議」、これがスタートしました。成長戦略会議というのは、日本の様々な成長のために、いろんな政策をやっていこうということですね。その中に、首都圏の空港機能の見直しというのもありますから、ぜひとも一度、神奈川県に、私にですね、超高速鉄道構想、これがどういう形で考えられるのか、またこれが持つ建設費はどれぐらいで、経済的波及効果はどれぐらいで、首都圏のハブ空港機能をどこまで強化できるのか。まさしく日本の経済競争力につながりますから、発表させてほしい。専門の委員の皆さんに議論をしていただきたいと。2点目については、快諾いただきました。「ぜひとも松沢知事、来てほしい」と。

10月26日に開催された「国土交通省成長戦略会議」の第1回会合。冒頭、前原国交相があいさつしている様子。「少子長寿化が進む中、必要な公共事業を絞り込んでいく。一方で、成長の余力のある分野を伸ばしてこそ国家の基盤ができる」、「提言は、予算や政策に反映する。この会議が成長戦略の鍵になる」と述べた(写真:ケンプラッツ)
10月26日に開催された「国土交通省成長戦略会議」の第1回会合。冒頭、前原国交相があいさつしている様子。「少子長寿化が進む中、必要な公共事業を絞り込んでいく。一方で、成長の余力のある分野を伸ばしてこそ国家の基盤ができる」、「提言は、予算や政策に反映する。この会議が成長戦略の鍵になる」と述べた(写真:ケンプラッツ)

「スタート台に立った」

 最後に情報を付け加えますが、神奈川県で簡単な試算をしました。そうしますと、いま大深度もすごく土木技術が発達して、たて坑をかなりの距離で間隔をあけられますので、建設費がどんどん下がります。そういうことで、おおむねこれをやったとしても、成田から横浜まで1兆3000億円ぐらい。滑走路を埋め立てるのと、そんなに変わらないんですね。経済波及効果はおおよそ2兆9000億円ぐらいにはなるだろう。

 従来の鉄道ですと1時間半かかります、成田エクスプレスを使っても、京成線を使っても1時間半かかる。今、成田新高速鉄道の構想がありますが、これも(成田空港から)日暮里まで51分が36分になるだけで、空港間を移動するのに、日暮里から都営浅草線、京急線と乗り換えなければいけない。これは外国人のお客さん、初めて日本に来る方、荷物をたくさん持っている方は、ほぼ不可能です。時間短縮しても1時間かかる。

 やはり直通で行ける、それも10分で移動できる。これは、画期的な両空港一体化の効果をもたらすと思っておりまして、未来への公共投資ということで、ぜひとも国土交通大臣の、国土交通省の協力、ご理解をいただいて、今後進めていきたいなと思っています。

 リニアモーターカーをつくりますと、シールドでトンネルを掘っていくわけですね。この(真ん中の)部分を鉄道で使いますので、上と下の部分が余るわけです、ここを使って、貨物の高速移動ができないか、あるいは道路の地下を使ってやっている様々なライフライン、あるいは災害時のバックアップ輸送ですね、こういうことにもリニア新線をつくるときのシールドのトンネルは使えるわけですね。都市基盤の強化という意味でも、大変重要な発想ではないかと思っているところでございます。

 こういう大改革ですので、最初から素晴らしい、皆で研究しましょう、はい、やりましょう、また、財政がこれだけ厳しい中で、公共事業をほかで切っている中で、すぐにそういう方向には行かないと思います。ただ、私は今日がスタートでありましてね、神奈川県も千葉県と一緒にこのプロジェクトを研究して、実現可能性、そしてどれだけ安くできるか、どれだけ効率よくできるか、そして両空港、首都圏の発展にどれだけ資することができるか。そして日本の国際経済力を高めるために首都圏のハブ空港機能をどれだけ高めることができるのか、それを徹底して研究した上で、随時、研究成果を打ち出して、国交省の皆さん、政治家の皆さん、そして世論に訴えていきたい。つまり、今日はスタート台に立ったということでございます。