松沢知事が「羽田-成田リニア新線」構想を熱弁

10月29日、前原国交相との会談後に会見する松沢知事。羽田‐成田リニア新線構想のメリットを熱く語った(写真:ケンプラッツ)
10月29日、前原国交相との会談後に会見する松沢知事。羽田‐成田リニア新線構想のメリットを熱く語った(写真:ケンプラッツ)

松沢成文知事 本日は神奈川県知事として、前原国土交通大臣に羽田空港、成田空港を利用した首都圏の新たなハブ空港づくりについて提案をさせていただきました。前原大臣が先日、羽田空港の国際化強化、ハブ空港化を進めたいという方向を示されまして、私ども神奈川県としても大いに歓迎するところであります。

 しかし、今後の首都圏の航空需要を考えますと、羽田だけでも成田だけでも対応できない。両方ともメリット、デメリットがあります。例えば、成田の場合は夜間使えない、24時間化できない。羽田は24時間化できても、滑走路が短いなどメリット、デメリットがある。二つの空港をうまく一体運用していくことが、首都圏のハブ空港強化につながると大臣も話しています。森田(健作)千葉県知事との会談でも、羽田、成田が共存共栄することが重要なんだと。

 つまり、国際空港の機能を羽田と成田で取り合っても、全く内輪けんかなんですよね。世界の中の経済競争に勝ち抜いていくには、2つの空港を一体化させて、そして空港機能を強化していくことが絶対に重要であります。ただ、例えば夜間は羽田で国際便を飛ばしましょうとかいった、運用面だけでは限界があります。

 そこで今日、私の方から正式に、「成田-羽田超高速鉄道」の整備構想というのを、大臣に提案させていただきました。成田空港と羽田空港の間は約80kmあります。世界のハブ空港で、都心からの距離がこれぐらいある空港はありません。平均30km以内です。ロンドンでも韓国でもそうです。非常に遠くにある成田空港のデメリット。2つの空港の距離があまりにも離れているんで、国際線の乗り継ぎ、国際線から国内線への乗り継ぎが非常に不便。これが2つの空港を一体的に運用しようとしても最大のデメリットなんですね。

 このデメリットを埋めるために、二つの空港間、もう少し延長して横浜やあるいは新宿、さいたま新都心まで、一挙にできなくても徐々につくっていけばいいと思うんですが、ここを超高速鉄道、リニアでも新幹線でも構わない。(時速)300kmぐらい出せる地下を走る鉄道をつくれば、成田空港、羽田空港は10分から15分で結ばれます。そうしますと距離が80km離れている両空港ですが、この鉄道を利用することによって、隣のターミナル、隣の滑走路に物理的になっていくわけですね。そうすればハブ空港の最大の要素である乗り継ぎ機能が、ほぼケネディ空港の隣のターミナル同士ぐらいに縮まるわけです。こういう構想が考えられないかということです。