「社会的に効率的な事業」
現在の朝ラッシュ時は、三鷹から新宿・東京方面に、1時間当たり53本の列車が走っている。協議会は三鷹-立川間を複々線にした際に同じ本数になるものと仮定して、混雑率などを計測した。2015年に着工、2030年に開業する前提とした。
結果、整備しない場合に比べてどのケースも利用者数は微増にとどまり、混雑が緩和することが分かった。武蔵境-三鷹間の朝ラッシュ時の混雑率は、未整備時に193%となるのが、整備時はケースによって127~150%と、最大66ポイント改善する。
線を増やさない三鷹以東にも改善が及ぶ。混雑率は、未整備の場合に快速線が205%、緩行線が126%と、現在と同じく快速線が高くなる。三鷹以西を複々線化すると、緩行線は12~17ポイント増加するものの快速線は25~31ポイント減少し、混雑が平準化する。
速達性の向上については、快速線経由の場合に乗車時間が短縮する。快速線にホームを設けない駅でも、運行頻度が増加する場合には列車待ち時間が短縮し、利便性は向上する。立川以西への直通列車が増えるケースでは乗り継ぎ時間が短縮する。これらを合わせると、最大で10分弱の時間短縮となる。ただし、ケース1とケース3では、快速線にホームを設けない多くの駅で所要時間が増加する。
費用便益比(B/C)は2.3~2.7で、1.0を大きく超えた。調査報告書では「社会的に効率的な事業」だと結論付けている。