東京都内を東西に貫くJR中央線。現在、三鷹-立川間を連続立体交差化する工事が進んでいる。2011年3月の事業終了を見据え、同区間をさらに複々線化して輸送力を増強する計画が、実現に向けて動き出した。立川市など沿線の自治体で構成する協議会が、複々線化は社会的に効率的な事業だと結論付ける調査報告書を09年3月にまとめた。報告書の内容とこれまでの取り組み、実現に向けた課題などについて解説する。

JR中央線の位置。三鷹-立川間を複々線化する計画について、事業として意義があるかどうかを検討した (資料:三鷹・立川間立体化複々線促進協議会)
JR中央線の位置。三鷹-立川間を複々線化する計画について、事業として意義があるかどうかを検討した (資料:三鷹・立川間立体化複々線促進協議会)

 現状の中央線は御茶ノ水-三鷹間が複々線、三鷹以西が複線になっている。東京から立川方面へは、車両の帯がオレンジ色の快速電車、御茶ノ水から三鷹までは黄色の各駅停車が走る。2組の複線に2系統の電車を運行している。

現状の中央線の運行パターン。複々線区間のうち中野-三鷹間は快速線と緩行線で停車駅が同じこともあり、快速電車は速度が遅く、乗客も集中している (資料:三鷹・立川間立体化複々線促進協議会)
現状の中央線の運行パターン。複々線区間のうち中野-三鷹間は快速線と緩行線で停車駅が同じこともあり、快速電車は速度が遅く、乗客も集中している (資料:三鷹・立川間立体化複々線促進協議会)