ケンセツ的視点

リニア新幹線の伊那谷ルートはありえるか

2009/09/30

リニア新幹線
諏訪
中間駅
南アルプスルート
伊那谷ルート
特集:リニア新幹線

 長野県飯田市の経済団体を中心に構成するリニア中央新幹線飯田駅設置推進協議会など3者が共同で9月26日、リニア新幹線に関するセミナー・シンポジウムを開催した。不肖ながら筆者が講師として呼ばれ、リニア新幹線の工事費や維持費について第三者として解説した。当日の内容をお伝えする。

9月26日に飯田市公民館で開催した「夢のリニア中央新幹線セミナー・シンポジウム in 南信州」。主催は、リニア中央新幹線飯田駅設置推進協議会、飯田商工会議所リニア中央新幹線特別委員会、南信州新聞社の3者。写真は第2部シンポジウムの様子 (写真:南信州新聞社)

市民の熱い思い、民主党の動向に注目集まる

 リニア新幹線のルートを巡っては、事業者側のJR東海と経由地の長野県で思惑が交錯している。

 JR東海は、路線長が最短の南アルプスルートを前提に建設する考えを貫いている。これに対し長野県は、諏訪経由で経済効果の見込める伊那谷ルートを強く求めている。伊那市長が県に対して経済効果の試算を求める考えを示したり、民主党長野県連代表の北沢俊美防衛大臣が伊那谷ルートを推進する姿勢を示したりするなど、対立色が強くなりつつある。

 ただし、すべての県民が伊那谷ルートを支持しているわけではない。県南部の飯田・下伊那地域では、南アルプスルートを求める声が強い。飯田・下伊那地域はどちらのルートでも経由地になるものの、伊那谷ルートでは地域内には駅が設けられないかもしれないと気をもんでいる。

 こうした住民の意識を背景に、一連の行事が定期的に開催されている。今回のシンポジウムでは、市民がリニア新幹線に対する熱い思いを、パネリストにぶつける一幕があった。質疑応答の際に、南アルプスルート推進をもっとはっきり訴えてほしいと懇願した。協議会の会長でもある飯田商工会議所の宮島八束会頭は、他地域に配慮して回答する一方、市民と思いを共有しているようにも感じた。

 民主党の動向にも関心が集まった。同党所属の加藤学衆議院議員がパネリストとして状況を説明した。リニア新幹線について党内では、国土交通省やJR東海との関係を含め、構想が固まっていないのだという。伊那谷ルートを求める北沢氏の考えについては、県議を5期務めた経験から出てきた発言と思われ、党の決定ではないと説明した。加えて加藤氏個人の主張として、県は伊那谷ルートありきではなく南アルプスルートも選択肢の一つとして捉えてほしいと訴えた。

客観的には南アルプスルートしかありえない


高槻 長尚ケンプラッツ



読者のコメント (18 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
いよいよですが、そうは巧く行かないのが世の常、宮沢胤勇の時代だったらすんなりと南アルプスルートに決定でしょうが、北沢俊美は果たして・・・
(K.ame 2010/06/26 02:31)

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ルートと途中駅に関心が集まり、各地で我田引水が盛んですが、全て成就するのがベターか・・・。ダイヤ予想では1時間に5本が有力か?。内4本が直通で所要時間が名古屋まで40分、これはこれでけ結構、各停は1時間に1本でこれが各自治体や地域協議会が後押ししてくれるので地元負担(無人)駅で推進も宜しいのではありませんか。これでも沿線地域から3大都市に出るには時間的に有利ですよね。
例えば飯田から東京に出るのに一番早いのは現在では何が有る?。リニアで1時間は最有力では有りませんか?。
地元負担駅は申し出で通り作るのが、地域発展だと言う地元の申し出でを尊重するのがベターだと・・。
ただし中央(東西)線甲府ー中津川間は第3セクター移行は必須です。
(2010/04/02 05:53)

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そんなに諏訪湖付近に駅がほしいなら、長野県の負担で、直線ルートとの差額と毎年維持コストの差額を払うべきですよ。

東京〜名古屋の旅客数に対して、長野県中北部からの利用者による収入増は微々たるものですから、BルートではJR東海は大損

地方空港に儲かりもしない路線を誘致するために、航空会社に補助金を払うとの同様に、長野県が差額を払うのが筋です!
(リニアの駅を橋本に! 2009/12/07 17:08)

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リニアのブレーキは鉄輪のように粘着ではありません。いわゆるエンジンブレーキで高速ほど良く効きます(急坂でも)。鉄輪で粘着不足でロックすればフラットができ、脱線の危険が増します。ABSも必要ですが高速域の効きが悪くなります。リニアは建設費抑制のため40‰も許されているため下り坂は危険です。それにパンタの摺動音はすごいですよね。E5も騒音対策で320キロまでと聞いております。リニアは消費電力がまだ大きいですが、これから進歩の見込めるシステムですので応援します。
(2009/10/16 09:50)

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山梨の長野には駅すら不要だと思う。
(田舎人 2009/10/15 16:14)

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追補します。
鉄輪での400km/hは現在の技術で実現可能です(500km/hでの営業運転ではなく)。あまたの最高速度試験はもちろんのこと、JR東日本はfastech360で技術要素を400km/h程度まで試験しており、若干の乗り心地と騒音を理由にE2については320km/hとしました。

リニア新幹線を想定された中央新幹線の線形は極めて良好であり、殆ど全線で400km/h運転は可能でしょう。また、ブレーキについてもリニアでも同様のことは言える訳で、空力ブレーキの採用とはなるでしょうが、不可能という訳でもありません。

なお、350km/h以上での速度域では空力音が騒音では支配的です。リニアについては、鉄道の規制(最大値規制)ではなく、航空の規制(平均化された値)が適応されています。それを差し引いても、地上側の対応で400km/hでの鉄軌道の騒音対策は充分可能です。
(boroneko2k 2009/10/15 13:20)

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●10/13,JR東海はリニア中央新幹線の東京-大阪の需要予測量の試算結果を発表した。早速長野県は反応。
●10/9,長野県会は定例会最終日の9日の本会議で、公共交通対策特別委員会が提出した「地域振興に資するリニア中央新幹線の整備促進に関する決議案」を賛成多数で可決した。事実上、諏訪・伊那谷回りのBルートを念頭に置いた内容である。
●新聞には望月議長は『Bルート推進は県民と県議会の意思だ』と述べている。
●本件に関して,リニア中央新幹線を共有する他の都府県に一度説明してもらいたいものだ。
●中日新聞が県民アンケートでも、C(直線)ルート支持36.7%に対し、B(迂回)ルート支持は23.5%であった。
●10/9本会議は17人は反対/構成人員54人である。
●議長には賛同者37名の代表でお願いしたい,どの数値・意思を持って『Bルート推進は県民と県議会の意思だ』を分かりやすく説明責任をお願いしたい。
●このまま(説明なし)だと地方の土建屋の利益誘導とみんなに思われる。
(Apricot 2009/10/15 02:29)

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そもそもここの論点は、「伊那谷ルートはありえるか」で、ほとんどの利用者に余分な負担(運賃・時間)を強いる伊那谷ルートはありえない。また、鉄輪も然り。鉄道を知らない人間は走る事しか頭に無く、緊急時に時速400kmから安全に止まれるか(特に下り坂)、や車輪・パンタグラフからの騒音がいかなるものか。脱線係数の増大等を考えるべきである。
(2009/10/13 10:57)

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作り上げた数字の一人歩きの典型ですね。前にも書きましたが、ここでの予測式は2〜5時間での利用予測の回帰式を数十分に外挿した物で、信頼性は正直乏しいです。また、記事では長大トンネルのリスクについての記載もありません。

そもそも何故リニアなのか、の視点がありません。JR東海は技術に投資している手前、リニアを全面に押し出しますが、今の技術では鉄軌道でも400km/hでの運転は可能です。リニアの線形を適用すれば殆どの区間でその速度が出せるでしょう。
たとえ400km/h運転でも東京-大阪の移動時間は1時間半程度です。リニアでも1時間を切るのは難しいので心理的に大きな差は無いと思われます。

始めにリニアありきでしたら、地元にどのような措置が出来るのかを、高速鉄道を造りたいのでしたら、どの方法が「総合的に」優れているのかの検討を今一度お願いしたいです。
(boroneko2k 2009/10/13 09:37)

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興味深く読ませていただきました。?「客観的には南アルプスルートしかありえない」と、まさに建設するなら、運営主体(オーナー)・乗客(ユーザ)・エネルギー効率から見てCルートしかないと、再度思いました。?建設プロジェクト・運営ともに長期にわたるものであるので、未来永劫状況・条件が変わらないということはないと思います。しかし、「エコ」に対する課題は、将来続くことであり、エネルギー効率からみた鉄道回帰は必要だと思います。そういった観点で考えると、20%もロスのあるBルートを選択することも、環境負荷の高いマイカーを使うことも控えるべきだと思います。?「CルートかBルートか」との議論は長野県だけで、他県は、「Cルート」以外の選択肢はないとすでに議論が完了しているのではないでしょうか?ゆえに、すでに、「CルートかBルートか」という問題ではなく、「Cルートか、建設しないか」のどちらかなのだと感じます。これからは、経済合理性だけではなく、環境合理性も問題になると思います。その「環境」は、決して「景観・自然」などという甘いものではなく、「人間の生存」にかかわる大きな問題です。
(2009/10/08 10:29)

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今の長野県の知事やリーダーを見ていると、いかにも古い自民党体質だと思う。一部の意見をまるで全体の意見のように言い、多額の金を使わせ大きな利権を得る。しかし、今の日本ではそれはできない。それがわからないから、自民党は下野した。それでもまだわからない人はいっぱいいるけど。これからの日本はお金の効率的な使い方が一番大事だと思う。前原さんはそれができると思う。一刻も早くリニアを完成させてほしい。
(吉三郎 2009/10/07 22:47)

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長野県在住ですが、県の「Bルートは県民の総意」的な発言は非常に違和感を感じます。
・北信、東信地区は長野新幹線がある。諏訪から遠いのでそもそも興味がない。
・中信はBルート支持だが松本市は諏訪から離れているのでさほど熱心ではない。
・南信地区はCルート支持。
といったところが本音ではないかと思います。2割距離が長いBルートは、単純に考えれば東京−名古屋の利用者に2割高い運賃を負担させる事になります。東京、名古屋、山梨などの沿線の人々はもっとCルート支持の声を上げるべきだと思います。また、県やBルート推進派の人々はJR東海を批判するばかりでなく、これら県外の人々に対して納得いく説明をすべきでしょう。今のままではリニア自体が結局夢のまま終わるのではないかという気さえします。
(2009/10/05 11:11)

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東京-名古屋間にそれほど需要があるとは思えない。
今の新幹線でも東京から大阪へ行く人が圧倒的で名古屋へ行く人は少ない。だからリニアも名古屋-大阪間を早く開通させないと効果が出ない。
順番にではなく同時開通させるよう計画変更はできないのだろうか。
(昭和世代 2009/10/04 10:26)

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リニア新幹線がいくら高速で便利になっても、将来を考えると、無料の高規格の第二東名高速道路の完成など交通手段相互の競争が激しくなり現状の新幹線の運賃を下げないと顧客が確保できない状態になった場合、リニア新幹線の運賃も今の想定より下げる必要が出てくる。そのような場合、JR東海はCルートでの5兆1000億円の投資額ですら下方修正しなければならない可能性が出てくる。ここで指摘されているように、まずJR東海は経済合理性をルート選定時にも貫いてほしい。フランスのTGVも当初計画段階で高速による時間短縮と同様にコスト削減を目標に掲げ日本の新幹線のような巨額投資にならないように配慮したと聞いている。技術・性能が世界の航空機の中で抜きん出ていたフランスのコンコルドが経済性を欠いていたために社会から消えてしまった事実をJR東海やリニア沿線地域の関係者は身を引き締めて見る必要がある。
(杉本 一芳 2009/10/01 17:32)

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JR東海とJR東日本の棲み分けはまだしも、それ以外の部分はほとんどの世論ではないですか。今後、どれだけの大規模プロジェクトが進んで行くのか不透明な時代に、イニシャルコストだけでなくランニングコストも、当然、考慮する重要な要素になるでしょう。借金返せも極論ですが、新しいハブになるなどの大規模投資話は夢のまた夢でしょう。
(2009/10/01 11:06)

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私は東三河の子でCルートの賛同者です。いま飯田は21世紀のハブになる可能性があります。長野県の点から面への発展に期待しています。まず飯田市は飯田線・三遠南信道路(飯田-第2東名、引佐JCT)建設中、引佐JCT-三ケ日JCTは東名の渡り廊下で計画中。いまだ計画段階ですが、いずれ21世紀中には伊勢湾岸道路(東名三ケ日JCTから伊良湖-伊勢-和歌山-四国-九州長崎)が期待されています。文化的には三遠南信地区(東三河・遠州・南信州)は、昔は塩の道であり、同じで風俗・慣習・伝統芸能が国道151(伊那街道・別所街道)、R152(秋葉街道)でつながっています。これにより飯田から太平洋側のルートが開け、経済・文化・物流・医療サポートなどの発展が今以上に期待できます。特に農産物は渥美半島(豊橋・田原)とは季節がずれた作物の供給が三遠南信地区に多く供給されます。もちろん駒ヶ根。伊那・諏訪地区もこの恩恵を受けます。リニア中央新幹線は当面は観光立国になろうとは思いますが、将来は道路も含め長野県の技術・産業・特産物の出荷拠点などなど太平洋制覇ができます。
これは昔々、武田信玄が望んだ道(出城は飯田に)だと考えますがいかかでしょうか?
(Apricot 2009/09/30 23:47)

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ダム以上に無駄な議論。JR東海は建設できる資金があるなら借金を即刻返済すべし。
(2009/09/30 20:05)

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中日新聞が「長野県全体」を対象にして行った世論調査でも、南アルプスルートの支持率が最も高くなっていました。もはや“県民の総意”ですらなくなった伊那谷ルート、仮に無理やり引っ張ったところで各方面から相当な反発を招くと思われます。
(2009/09/30 10:12)

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