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ケンセツ的視点

やはり大手は高水準、建設・不動産150社の給与

2009/09/29

高い給与が続くとは限らない

 会社によって高かったり低かったりする給与だが、この先もずっと同じだとは限らない。当然のことだが、利益を確保できなければ人件費は削られる可能性が高いし、会社の存続さえも危うくなってくる。給与は、産業界や個々の企業を取り巻く環境によって変動するものだ。

 具体例を挙げよう。数年前まで業績をぐんぐん伸ばし、高い給与水準で人気を集めた不動産投資会社だが、サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機の影響を受けて窮地に陥った。

 不動産ファンド運用のケネディクスは、2008年12月期の連結最終損益が赤字に転落した。業績悪化に伴い、2007年末に1238万円だった平均年間給与は08年末に777万円に減っている。

 08年5月末時点に、33歳で947万円の給与だった不動産投資・運用のクリードは、市況悪化によって物件売却や人員削減、本社移転、支店閉鎖といった経営合理化に取り組んだ末に経営破綻。09年1月に会社更生手続きを申請して開始決定を受け、8月には更正計画が認可された。

 パシフィックホールディングス(08年6月に持株会社体制に移行。以前はパシフィックマネジメント)の平均年間給与の推移を見てみよう。04年が903万円、05年が1183万円、06年が1455万円、07年が1325万円と高い水準を保っていたが、08年は829万円になった。09年3月、同社は会社更生手続き開始を申請し、その後、開始決定がなされた。

就職先選びのチェックポイント

 ここまで“給与=お金”の話をしてきたが、就職先を選ぶ際の判断のよりどころはお金だけではない。福利厚生が充実していて快適な会社だってある。これまでの就職・転職に関する取材を基に、就職先選びのチェックポイントを五つ挙げてみた。給与(お金)は条件の一つにすぎないということを指摘しておきたい。

(1)仕事自体にやりがいがあるか
(2)休みはきちんと取れるか
(3)上司や仲間に恵まれるか
(4)会社や産業に将来性があるか
(5)報酬に満足できるか

 「仕事自体のやりがい」は事前の調べで、ある程度、把握できるだろう。「休み」は公表されている内容と実態が違うこともあるので、先輩などによく聞いた方がいい。特に工事現場が最前線の建設会社は、内勤者と外勤者の休み方が異なることもある。一般の人たちが休みの時でなければできない工事もあることを知っておこう。

 「上司や仲間」は会社に入るまで分からないし、自分では選べない。運が大きく左右するところだが、経営者の考えや会社全体の雰囲気が従業員の姿勢に影響する面もある。会社選びの時点では、「将来、この人と仕事をしたい」と思える人がいるかどうかが、一つの判断材料になるだろう。

 「会社や産業の将来性」を予測するのはとても難しい。一般論としては、市場が拡大していく分野で競争相手が少ないと、会社は業務を拡大していく。その場合、従業員の給与も高くなる可能性がある。一方で、先に紹介した新興の不動産投資会社のように、経済情勢の変化によって突然、経営破綻に追い込まれるケースもある。

 建設産業は、これまでも市場の縮小、競争相手の過多という構造的な問題をかかえていた。そうしたなか、民主党政権の誕生によって将来はますます読みにくくなっている。例えば高速道路無料化は、高速道路会社にどのような影響を及ぼすのか。リフォーム推進は住宅に関係する企業に何をもたらすのか。

 リニア新幹線など、計画中の大規模プロジェクトの行方も、産業や企業への影響因子として気になるところだ。将来、リニア計画区間の航空や道路の事業に打撃を与えるかもしれない。

 日本市場はじり貧でも、経済発展する外国に進出して成功するという展開もあり得る。他社にはない技術を開発して、先頭に立つことも考えられる。将来を読むのは難しいが、中期経営計画や経営者の言動から、会社の独自性や方向性をある程度、知ることはできそうだ。


<訂正>
・初出時にイチケンを不動産会社と分類して表に掲載しましたが、誤りでした。表の掲載場所を建設会社に改めます。これに伴い、記事冒頭のグラフを修正しました。(2009年10月22日 17時35分)

<追加情報>
・当初、主要150社を掲載しましたが、第一建設工業の申し入れを受けて、掲載条件を満たす同社を建設会社の一覧に追加しました(*印)。これに伴い、表の掲載会社数は151社となります。記事やグラフは150社を前提にした初出時のままとしています。(2009年10月1日 15時00分)

菅 健彦ケンプラッツ

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