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ケンセツ的視点

建設コンサルタントがこぼす総合評価の悩み

2009/10/06

 予定価格の7割を切るような低価格での入札を問題視する声を、建設コンサルタント会社の技術者から聞くことがある。このことに関連して、少し前に興味深い話を聞いた。「総合評価であれだけ低い額の札を入れられてしまうと、どんなに高度な技術を提案したとしても逆転されてしまう――」。この話には当初、違和感を覚えた。

 総合評価落札方式の入札で俗に「逆転落札」と言われるのは、最も安い札を入れた者以外の参加者が技術力の評価で高得点を上げ、価格点と合わせた評価値で最高点を取るケースのことだ。以前は価格だけの勝負で、最も安い札を入れた者が落札していた。総合評価で技術力も併せてみることになって、逆転という表現が使われるようになった。ところが、前述の言葉の主は、技術力で「逆転できない」のではなく、価格で「逆転されてしまう」と話した。

 この話は、複数の建設コンサルタント会社の技術者から聞いた内容だ。建設コンサルタント業務では、プロポーザル方式の導入が先行した。プロポーザル方式では、技術力で業務の契約先を決める。これが総合評価落札方式になると、得意な技術力を生かして取れていた仕事でも、価格でひっくり返されるケースが出てくる可能性があるというわけだ。

 国土交通省などの発注者の説明によれば、プロポーザルは高度な技術力を要するもの、価格競争は技術力による成果品の質の差があまり生じないと考えられるもの、そして総合評価は、それらの中間的な位置付けだ。技術力のある建設コンサルタント会社にとって、これまで価格競争で決まっていた案件に総合評価が採用されるのは歓迎だろう。一方で、プロポーザルが採用されていた案件に総合評価が採用されるとしたら、上記のような新たな悩みを抱えることになる。

 ある大手建設コンサルタント会社の技術者によれば、08年度に簡易公募型プロポーザル方式で受注者を決めていた予定価格数千万円程度の業務と同様の業務で、09年度は総合評価落札方式になった例があるという。技術の良しあしで決まっていたものが、価格も受注を左右する大きな要素となることに、納得できない技術者も多いのではないだろうか。

岡田 篤生日経コンストラクション

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