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ケンセツ的視点

高速道路無料化で地方の道路に危険が及ぶ?

2009/09/02

 政権交代が明らかになり、建設業界が注目するのは、民主党の施策が仕事やインフラにどう影響するのかということだろう。

 以前、建設コンサルタント会社の幹部に維持管理分野の業績の動向について取材した際に「民主党のマニフェストを見ると、公共事業費は削減される方向だ。維持管理分野の仕事量も減るのではないか」と疑問を投げかけたことがある。確か、8月30日の総選挙の約1カ月前だった。

 返答はあっさりとしたものだった。「道路や橋梁などの長寿命化は誰が考えても実施しなければならない話。政権が交代しても、国の方針は大きく変わらないだろう」。

 維持管理分野の仕事量の減少を、それほど心配していないようだった。「それよりも気になる」と声を大にして話したのが「高速道路無料化」だった。

 テレビや新聞でも、無料化についてはさまざまな議論が噴出していた。地球温暖化を助長する、財源が無い、渋滞を引き起こす、高速道路の早期劣化につながる、緊急車両の通行に支障があるなどの懸念だ。

 そういった内容を先の幹部も懸念していたが、特に「物流が変わることによる周辺道路への影響は計り知れない」とみていた。例えば、無料化で渋滞が頻繁に起こり、大型貨物車が途中のインターチェンジで降り、今までは通らなかったような道路を走行する可能性が増える。ここでいう、今まで通らなかった道路とは、耐荷力などの面で大型貨物車が走行してはならない道路のことだ。

 そうなれば道路の損傷は避けられない。別の建設コンサルタント会社の技術部長は「自治体の橋梁点検業務などで、『この橋は大丈夫』と診断されたところでも、大型貨物車が通るとなると話は別だ」と言う。

 地方自治体から「御社にお願いした過去の点検業務で、この橋梁は○年間、問題ないと診断してもらったのに、道路が陥没してしまった。どうしてくれるのか」というクレームが来るかもしれないと、先の幹部は「もしも」の話をしてくれた。あながち、もしも話では済まない事態になるかもしれない。

 そういう事態が起きれば維持管理費は増え、物流計画のやり直しで調査業務は増え、というようにたくさんの税金が費やされるのではないかと思ってしまう。高速道路無料化に関する民主党の一挙手一投足が注目される。

真鍋 政彦日経コンストラクション

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