京急蒲田の改良で羽田方面を増発、モノレールは快速運転を実施済み

 一方、成田空港ほどの課題はなかった羽田空港へも、路線の改良が進んでいる。

 京急蒲田駅とその前後で進められている立体化は大規模だ。現在の京急蒲田駅は、2本のホームと3本の軌道(2面3線)しかなく、羽田方面に単線区間が残っている。横浜、品川、羽田空港と3方面への列車をさばく必要があることから、増発のネックになっている。

 改良後は上下線を2層に分け、両層に1本の大きなホームを設置する。ホームの一部を切り欠くことで3本の列車が同時に止まれる構造にする(2面6線)。分岐や追い抜きなどを柔軟に行えるようになり、同一ホーム上でさまざまな乗り換えが可能になる。

 立体化の完成予定は2012年だ。品川方面からの直通列車の運行間隔を、現状の10分から6~7分に縮めることが可能になる。横浜方面からは現状の20分間隔から10分間隔へと半減させられる。

完成後の京急蒲田駅のイメージ。上下線を2層に分け、2面6線の構造とする。切り欠きホームにすることで、例えば、横浜方面の快速特急と普通、羽田方面の計3列車が同一ホームで相互に乗り換えられる (資料:京浜急行電鉄)
完成後の京急蒲田駅のイメージ。上下線を2層に分け、2面6線の構造とする。切り欠きホームにすることで、例えば、横浜方面の快速特急と普通、羽田方面の計3列車が同一ホームで相互に乗り換えられる (資料:京浜急行電鉄)

 都市鉄道の輸送量が全体として減少傾向にあるなか、同社羽田空港駅の利用者数は増加傾向にある。羽田空港は2010年に発着回数が1.3倍に増え、同駅の利用者もさらに増えることが予想される。

 東京モノレールも輸送力増強に取り組んでいる。都心と空港の中間に位置する昭和島駅を改良し、快速列車が普通列車を追い越せるようにした。2007年からこの設備を使った運行を始め、快速列車が速く走れるようになっている。浜松町-羽田空港第1ビルの所要時間は、普通が21分なのに対し、快速は5分速い16分だ。

 さらに改良する構想もある。浜松町駅は現在、軌道が1線しかない。この1線で1時間当たり朝ラッシュ時は18本、昼間でも15本が折り返している。2線にするとダイヤに余裕が生まれる。新橋駅に延伸して対都心の利便性を高める構想もある。