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ケンセツ的視点

建設業界にも忍び寄る2011年問題の影

2008/12/16

 2011年問題――。地上アナログ放送が停波し、地上デジタル放送に完全移行することに伴う問題が、2011年に生じるとして使われる言葉だ。最近、新聞やテレビでその言葉が目に付く。

 「建設業界に関係のない問題だ」と私は思っていたが、別の「2011年問題」が建設業界に起きる恐れがある。2007年問題による人材・技術不足を解消するために再就職した団塊世代が、2011年あたりに65歳になり、「第2の定年」を迎えるということだ。再び人材不足や技術消失に悩まされそうだ。

 2007年問題は記憶に新しいだろう。1947~49年に生まれた「団塊の世代」が一斉に退職の時期を迎え、労働力が不足し、技術の伝承が途絶えることが懸念された問題だ。

 日経コンストラクション2007年9月28日号では、特集「どうする!?人材難」のなかで、それらの問題について解決方法を探った。退職する団塊の世代を再雇用して、ベテランの技術を活用する対策を取っていた会社は多かった。

 では2011年はどうすべきか。さらなる定年延長で問題を乗り切ることも考えられる。ある中堅建設会社の技術者は、「2007年問題などで、技術伝承のシステムを社内に構築したが、2011年の時点で、後継者に技術が伝承されているかどうかはわからない。もっと時間をかけなければ伝承できないのでは」と不安を募らせる。

 一方で、ある建設会社の広報担当者は、「2、3年前ぐらいと比べて、ベテランを雇用することに社内でも温度差がある。やみくもにベテランをキープするのはどうなのかという声も上がっている」と話す。建設会社の売上高伸び悩みの影響もあって、ベテラン技術者を抱えすぎることが経営の弊害にもなりかねない。

 若手世代の採用も気になる。学生の採用を取り消したり、来年度の採用を控えたりする会社の話題がニュースで頻繁に流れている。建設業界も不況で若手を採用できない事態が生じるようであれば、人手不足はもちろんのこと、技術を伝承する相手がいなくなる。2011年問題はどの建設会社にとっても避けて通れない問題に発展する恐れを秘めている。

真鍋 政彦日経コンストラクション

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