2008/10/21
タンクローリーの火災を受けて復旧工事中だった首都高速道路5号池袋線が10月14日、当初の目標より約1カ月早く全面開通した。8月3日の事故から2カ月余りで完成し、目標としていた工期の実に3割以上を短縮したことになる。
これだけの短い工期で開通にこぎつけた技術者たちの奮闘には頭が下がる思いだが、一方で米国でも同様の事例があったことを思い出した。
2007年4月、タンクローリーの火災で熱せられ、カリフォルニア州で橋桁が長さ230mにわたって崩落した。復旧工事の工期は5月7日から6月26日まで。それに対し、施工者のCCメイヤーズ社は昼夜で作業を続け、施工法にも工夫を加えるなどしてわずか18日間で工事を終えている。
この工期短縮の大きなインセンティブとなったのが、「ボーナス」だ。契約工期より早く完成すれば、500万ドル(約5億円)を上限に1日当たり20万ドル(約2000万円)を受け取ることができる。逆に、完成が遅れると違約金として同20万ドルを発注者のカリフォルニア州交通局に支払わなければならない。
18日間で工事を終えた施工者は、全額の500万ドルを受け取った。落札金額である86万ドル(約8700万円)の6倍弱!に上る。
工期短縮などのインセンティブとして、建設会社にボーナスを支払うケースは米国では珍しくない。ミネソタ州で2007年8月に崩落した鋼トラス橋の復旧工事でも、1日当たり20万ドルの報奨金を落札金額に加えて受け取る契約になっている。
同工事では約2億3400万ドル(約236億円)で落札したJV(共同企業体)が当初の工期を約3カ月短縮して1年余りで完成。報奨金だけで約2000万ドル(約20億円)にもなる計算だ。
この米国の報奨制度を基に首都高速の復旧工事について試算すると、1カ月の工期短縮で約6億円に上る。首都高速の復旧工事費はまだ確定していないが、20億円程度になるという。単純に合算すると約26億円。
金額の多寡は別にしても、日本でもこれからは災害復旧や既設構造物の補強など、急を要する工事が増えてくる。他方、補修・補強工事を中心に入札の不調や不落が相次いでいる。
入札不調を防ごうと、国土交通省などは単価の算出法なども含めて現行の入札・契約制度を見直し始めたが、建設会社などに大きなインセンティブを与えたという話はあまり聞かない。
成果に対する報酬とペナルティーとしての違約金−−。優勝劣敗を明らかとする米国らしい考え方とも言えるが、日本でも成果をより重視した契約制度があってもいい。
今年もそろそろ年末賞与の季節を迎える。ボーナスについて考える時期としては悪くないと思うのだが。
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