1955~75年ごろに建設された“熟年ビル”を見直そう――。そんなイベント「ビルマニアカフェ 2008」が大阪で開催される。開催日時は10月11日(土)、12日(日)の2日間。場所は大阪市西区にある西谷ビルだ。

 設備は老朽化し、外観にも若さは感じられない。かといって、明治・大正期の建築のような歴史的価値やアンティーク感もない。熟年ビルは、そんな中途半端な立ち位置にある。しかし、「よく見ると、最近建てられたばかりのビルと違って、既製品に頼らない“味”があります。例えば、職人が技を凝らした手すりや、外壁に張られている色むらのあるタイルです。宇宙船のようなメタリックな外観のビルには、高度経済成長期の日本が持っていた勢いを感じます」と、ビルマニアカフェ 2008実行委員の岩田雅希さんは熱く語る。

 こうした熟年ビルは、賃貸不動産としては最も苦戦している分野だ。建て替える気力もない弱気なオーナーは、時に賃料を下げ、時に売却する――。「気付いたら解体され、コインパーキングになっていることさえあります。まだまだ働き盛りのビルなのに」。

 そんな状況を嘆く有志が実行委員会を発足し、熟年ビルの魅力を広く知らしめるために「ビルマニアカフェ 2008」を企画した。当日は、街歩きが好きなことでも知られるミュージシャン、チチ松村氏を交えてのトークライブ、熟年ビルに設置された造作家具や金物の展示、実行委員会が「戦後建築の見どころが満載」と太鼓判を押す「西谷ビル」、つまりイベント会場の見学会などが催される。

 秋の大阪。“最新”でも“歴史的”でもない普通のビルの魅力と、そんなビルに魅了された人たちの熱さを体感しに行ってはいかがだろうか。

詳細はビルマニアカフェ 2008のウェブサイト(http://bldg-mania.blogspot.com/)で
詳細はビルマニアカフェ 2008のウェブサイト(http://bldg-mania.blogspot.com/)で