ケンセツ的視点

福田首相辞任で200年住宅はどうなる?

2008/09/02

200年住宅
福田首相
福田辞任
超長期住宅
首相辞任

 自民党の住宅土地調査会がまとめた「200年住宅ビジョン」という資料を読んでいるときに、「福田首相、辞任」のニュースが飛び込んできた。

 9月1日の21時30分から始まった会見の中継をテレビで見た。首相はそっけない言葉で辞任の弁を述べた。職場の席に戻って再び資料を見た。「より長く大事に、より豊かに、より優しく――住宅改革・ゆとりある住生活を目指して――とのキャッチコピーの下に、平成19年5月という日付と、自由民主党政務調査会 住宅土地調査会長 福田 康夫 という文字が印刷されている。
 
 首相が辞任することで、200年住宅の事業はなんらかの影響を受けるのだろうか?
 気になって国土交通省の担当官に電話をかけてみた。

「首相の辞任で影響はありますか?」
「ありません」
「根拠は?」
「少なくとも、現在、第2回の募集を行っている200年住宅のモデル事業は、すでに20年度予算で成立しています。この部分への影響はありません」
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案への影響はありませんか?」
「これは審議をお願いしている立場。臨時国会で、できるだけ早く成立させてほしいというスタンスで、これまで通り進めます」――

 あらためて200年住宅ビジョンに目を通すと、200年住宅を実現することのメリットとして、(1)住宅の建設・取得・維持管理のための国民負担の軽減、(2)産業廃棄物、CO2の削減、(3)わが国のゆがんだ国富構造の是正、が挙げられている。それぞれ、もっともだと思う。特に(3)については同意する気持ちが強い。日本の国富に占める住宅資産の割合はわずか9.4%だという。

 資料には「200年ビジョンが実を結ぶか否かは、そのメリットが実感を伴いながら国民の間に浸透するか否かにかかっている」とある。その通りだと思う。さらにそのためには「強力なリーダーシップのもと、政治的なメッセージを発信していくことが必要である」という言葉が続く。この部分はその通りと感じながらも、なんとなく違和感を覚える。政局のカードとして使われるほかの政策がつい頭に思い浮かんでしまうからだ。

 住宅を長寿命化させるための技術開発も、それを支える技能を育成することも、木造住宅の材料となる「木」を育てることも、長い年月を要するものだ。だから緒についた取り組みを政局論で右往左往させるようなことがあってはいけないと思う。それは短い寿命で住宅を壊すこと以上に、社会資源の無駄遣いになりかねず、今の日本にそんな余裕はないと思う。

安達 功日経ホームビルダー

読者のコメント (14 件)  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
200年住宅の前に20年の耐用年数の法律を作ってください。
(2008/09/13 21:54)

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リフォームで改修に行きますと、築80年の住宅が平気な顔して建っていて、リフォーム依頼されます。もちろん耐震要素などを考えれば疑問も残りますが、できる限り仕口金物を取り付けたりの耐震診断もしますが、基本的に軸組みの造り、仕口精度どれをとっても匠の技が見て取れます。粗雑な作りの建物も中にはありますが、そういうものは、建て替えの運命をたどっている場合が多いようです。確かに基礎のコンクリートは地上部分は風化もありますが、地中部分は正しく打たれていれば二酸化炭素による中性化も遅れ健全な状態を保たれているように思います。瓦も昔は砥石ですり合わせ葺いたと聞きます。都市部と地方の違いもあるでしょうが、良いもの、愛されている建物は、インフィル部分の改修で生き延びると思います。200年云々という前に、今の建築業界の仕組み、建築主の考え方、の方向性を決定付ける予算なりを付け、間違っても、プレファブメーカーなど特定の者に有利な方向性はやめてほしい。第一回の提案では、自社の宣伝的なものが多く良いものは出なかったようですが。
(2008/09/04 12:54)

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まったく皆さんのご意見はごもっともです、どう考えても200年住宅は業者の安定的メンテナンス事業の確保に寄与する政策だと思う。ましてや補助金の交付などと無駄使いに過ぎない。現在存在する高齢者所有の住宅のユニバーサル化を急ぎ終の棲家としての住宅作りに補助すべきだ。
(2008/09/04 06:05)

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 200住宅を考えている建築行政、建築家、建築関係者は何を提案しようとしているのか全く分からない。今ストックされている住宅をどれだけ再生できるか、新設コスト、エネルギーと廃棄コスト、廃棄エネルギーとのバランスやCO2の削減など考えなければいけない事柄は200年住宅とは違うのはでないか?
 現行法のような増築・改修をほぼ不可能にするスクラップ&ビルド施策を考え直すべきで、今ある住宅の改修計画案を提案さ構造方法の開示をさせるべきでないのか。提案された構造で建物の寿命が延び廃棄物か減り、循環可能なその時代にあった住宅に変化させることが今必要でないのか、このままではゴミの山になる。
(2008/09/03 17:52)

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 200年住宅は、正式には超長期住宅といって、3世代、75年〜90年持つ住宅と定義されています。皆さん、そこから間違ってますよ。
 ところで、建物が長い間壊されないのは、建物自体に魅力がある場合でしょう。そういう建物は、大金をかけて修繕してでも残されますが、味気のない丈夫な建物がずっと使われるなんて甘いです。大半の建物は、壊れる前に壊されているのです。今の200年住宅の提案は、ハード面では劣化等級やらスケルトンインフィルやら、つまらない提案になっていて、あまり意味がないと思います。プレハブ住宅メーカーに金を出すことが目的だと勘繰られても仕方ありません。国に金がない折、余計なことはやめるべきでしょう。
(2008/09/03 16:46)

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 200年住宅の発想が理解できない。資産としての住宅の質向上はある程度評価できるが、200年後の生活様式の変化、建築技術の革新、今まで大地震が起きるごとに行われてきた基準法構造基準の改正 を考えれば現時点で200年後の住宅形態が予想できているのか大いに疑問。差別化で生き残ろうとする業者は歓迎しているようであるが、現在でも問題になっている既存不適格建築物を将来的に数多く創り出させる施策の責任は誰が負うのか?。個人責任で済ませるつもりか、無責任で単純な発想は突然の辞任発表した一国のリーダーの提案であるので仕方が無いか。
 昨今の法改正、建築士制度見直しでも分かるように官僚(行政)が立法、司法を牛耳るような現状は日本を衰退させる。
(2008/09/03 14:08)

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実際に200年もつ住宅を供給すると言うことではないのでしょうが、日本でも100年くらい存続できる程度の住宅はほしいと思う。しかし、オイルショック後の省エネ対策の断熱基準や、公庫基準の高気密・高断熱基準のように、単なる数字の計算値のみの基準ではなく、日本の高温多湿の風土に合った基準を、じっくりと研究して頂きたい。現在、日本の住宅の短命化の根源は省エネ対策の詰め込み断熱の原因が大きいです。政治の人気取りの為のにわか法案だけは勘弁して頂きたい。国民の財産=国の財産と言うことを忘れないで頂きたい。
(2008/09/03 11:23)

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 建築士としてのコメントは、なんとも政治的・官僚的な問題提起としか言いようのない、愚かな提唱としか言いようがない。
 欧米で長寿に渡り維持し、資産価値が継続できるようなケースに当てはめて、地球温暖化防止の目標や議論もごっちゃにして赤字財政なのに、予算をそこにつけて、政治と官僚の長寿化暫しの安定化を本音にした愚策に思える。
 そもそも、どういった構造の住宅にしろコンクリート製の基礎や建物の重量に見合った地盤が必要になる、さらに日本のように南北に細長く、海洋と接しており四季があって、おおむね湿潤で温暖な地域が多く、大気の環境も厳しく、海岸に近い都心とその近郊では塩害や酸性雨などでコンクリートに悪影響する、世界の中でも一番の地震国なので特に軟弱な地域や断層のある地域の地盤が、杭の設計や維持に大きく影響する。
 つまり、建物にとって大事な基礎・地盤がコンクリートの寿命の40年から60年、地盤も大きな地震が100年に1度起こるような問題、大気の浄化や塩害・酸の被害を先に解決しないと、いくら断熱がどうとか、構造がどう設備がどう、改修履歴がどう、税制がどうと言っても、絵に描いた餅。先進住宅メーカーや先進企業のアピールに使われてしまうだけでしかないと思える。
 さらに、補助をつけて赤字国債の無駄借金の先送りをしていくようなものと思える。少々捻くれた、意見ではあるが、一世代平均30年として6世代も、現状の改悪基準法改正の縛りで、適法な範囲の増築や改築で、満足に維持していける訳がない、誰かに譲ったにしても、レトロな感覚に満足する割合は、物好きな人種としても5%程度以下と思える。
 そういう下らない、政策は捨てて、都市部の建ぺい率・容積率の大幅な緩和と、農村部の工業農家化を進めて、国家プロジェクトで、都市の高度化先進化、100年程度の長寿化と食料自給率の改善を図るべきが先と思う。
(2008/09/03 10:53)

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200年と言えば、4〜5世代の住宅だと思います。一般国民としては関係ない住宅政策ですので、どうなろうと関係ありません。
(2008/09/03 09:53)

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確かに読者のコメントにあるように200年というスパンは少し長すぎる気はするものの、本来この政策が言わんとしているのは、この文章が書いているように現在の恥ずかしい日本の住宅事情を改め、木を育てることや技術者を育てることで長い年月をかけて日本本来の家づくりを取り戻していかなければならないと言うこと。きちんとしたフレームがあれば変わっていく生活様式に合わせての対応は可能なもの。それを一時的な景気対策や変わろうとしない業界の都合で論じようとする現在の建築業界の病みこそが一番の問題と思う。
(2008/09/03 09:16)

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国土交通省の担当官の言葉は本当だろうか? 政権交代によってモデル事業についても予算執行ができないという事態になるのでは。それも是として、「200年住宅」が温暖化の中での日本の気候風土を前提として、消費者にとって真に富となるものかどうか議論が必要なのではないかと思います。
(2008/09/03 08:53)

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200年住宅? その住宅とローンに縛り付けられる子供にはいい迷惑。そもそもそんなものが普及したら建設業はますます仕事が無くなるのでは?
(2008/09/02 16:14)

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200年住宅など福田氏の思いつきに過ぎない。結果、官の権限と予算を付けたに過ぎない。日本の200年前は江戸時代ですよ。現在、政策的に考えなければならないのはエネルギー問題だと思います。そのための政策であれば理解もできるが、現在の200年住宅に関連する対策など後から肉付けしたに過ぎないから速やかに破棄すべきです。
(2008/09/02 15:15)

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消費者に超寿命と称した高価な住宅を親子2代のローンで縛り付ける下心丸見えの200年住宅など、この機会にお蔵入りしてほしい。 必要なのは今ある住宅を長く大事に使うための技術と消費者への啓蒙であろうに。
(2008/09/02 13:20)

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