ケンセツ的視点

ジェットコースター事故に限らない、悲劇の後で気づく「維持管理の重さ」

2007/05/08

維持管理
工務店
構造
災害
災害・事故・トラブル
事故
法・基準類

 5月5日、ゴールデンウイークの遊園地を襲ったジェットコースターの脱線事故は、折れた車軸が金属疲労を起こしていた可能性が高いとの見方が強まっている(5月8日現在)。金属疲労は目視による定期点検では把握できない現象だという。見えない部分まで維持管理や点検の目が行き届かず、気づかないうちに劣化が進んでいた可能性がある。

 冬柴鉄三国土交通大臣は5月8日の閣議後の記者会見で、遊戯施設などの定期点検を強化する方針を明らかにした。これに先立つ5月6日、国土交通省は既設の遊園地などにあるコースターの車軸について、探傷試験で亀裂などの有無を確認する「緊急点検」を実施するよう求めた。

 今年3月に起きた能登半島地震や1995年の阪神大震災では、構造躯体の腐朽や蟻害が住宅の被害を広げる要因になった。共通するのは、見えないところで進む劣化が、気づかないうちにじわじわと大きくなり、事故や災害が起きて初めて明らかになった点だろう。見えない部分の維持管理の重要性は、往々にして悲劇の後に実感を伴って認識される。

 過去に取材した例で、こういった悲劇を未然に防いだといえるケースがいくつかある。例えば数年前に取材したある工務店のエピソードだ。

 室内がなんとなくカビくさい住宅があった。建て主の訴えを聞いて、念のためにと壁をはがして点検したところ、一部の構造用合板と間柱がボロボロに腐食していた。同じ工法で建てたほかの住宅も点検してみると、3棟のうち1棟は、東側の壁が集中的にやられて、ほとんど耐震性能が期待できない状態になっていた。

 この工務店が仕事をするのは東海地震の危険が想定される地域だった。「まあ大丈夫だろうと放置したままで地震に遭って、自分の建てた家が壊れて建て主が負傷するようなことがあったらこの仕事は続けられない。こう想像すると背筋がぞっとした。あそこで面倒がらずに点検して本当によかった」。工務店経営者の言葉には実感がこもっていた。

 それ以来、毎年、台風シーズンの前に自分が建てた住宅の定期点検を欠かさないことにしたという。原動力はリスクに対する想像力だろう。面倒がらず愚直な確認作業を行うことができるか、わずかなシグナルをキャッチするアンテナを張っていられるか−−。この工務店経営者の行いはそう問いかけてくる。と、ここまで書いてきて、まったく建設分野に限った話ではないと自戒した。

安達 功日経ホームビルダー

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業者に指示するのは簡単だが、そういう国土交通省自体、維持対象の道路管理延長が増えているのに、やみくもに維持費を削減している。
(2007/05/10 10:40)

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ジェットコースターの管理規定は建築法と言う事に驚いている。 KEN-Platsに登録していなければ、記事が読めないのだが、ビジネスに於ける危機管理に共通している事から、建設法で片づけることに不透明感があり、一石を投じる内容であって欲しい。
(2007/05/10 10:17)

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普段は、監理技術者や主任技術者として機械設備・配管設備の施工管理にも携わっている身ですが、家族と共にこの記事を読みました。記事記載の工務店のオヤジさんの意気に感服しました。私自身も群馬の地方都市で細々とやってきた理美容店の長男として育ちましたので、職人としての仕事に対する心構えや心意気といったものを父から肌で感じて育ちましたので、こうした昔気質の仕事に対する責任感(職人気質)には、頭が下がる思いです。コスト最優先・人工削減の流れの中で、現実の現場では安全第一の最優先事項をキープするのは至難の業となることが多くなってきています。定期修繕・点検整備・維持管理・設備診断などの名称の付く工事件名が多い最近の案件では、本記事のような非破壊検査・入念なベテランによるビジュアルチェック等を省いたり、点検スパンを延ばしたりしたが故に、取り返しのつかない事態に至ったケースは他人事と思えません。仕事に責任を持つということのとてつもない重さを、思い知らされました。
(2007/05/09 22:10)

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ジェットコースター事故は単に基準が無かっただけ。 特殊車両(建設重機)端大丈夫なんでしょうか。排ガス規制もなかったようですが、 どちらも車輌なんだから電車や車並みの検査を義務づければすむはなし。 維持管理が大事なことはわかっているはずなのに金を払おうとしないやつが多すぎる。 ソフトの場合、開発3割、維持管理7割くらいといわれるけど、目先の安さで購入して、全体のコストは気にしない、というより値切ってくる。
(2007/05/09 11:18)

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