ケンセツ的視点

朽ち果てた建物に過剰なまでの耐震金物

2007/04/03

 震災後の能登で、目に焼き付いた被害の光景がある。輪島市中心部・朝市通りの裏手で、朽ち果てるように崩壊していた古い木造建物がそれだ。

 建物自体は地震で壊れても不思議はない古い土壁造の2階建てだった。その中で目に止まったのは、崩壊した建物の上に散らばっていた耐震補強金物だ。柱と梁をつないでいたL字形の耐震補強金物が、あるものは引き抜け、あるものは引きちぎられていた。崩壊した昔ながらの建物と、過剰なまでに取り付けられた金物のアンバランスなコントラストが、強い印象を残した。

 現地を見て回り、能登半島地震で大きな被害を受けた建物は、(1)埋め立て地など地盤の悪い場所に建っている、(2)老朽化による建物の劣化が進んでいる、(3)開口部が広いなど壁量のバランスが悪い、(4)接合部の補強をしっかり行っていない、の3つ以上の項目に当てはまるものがほとんどだと感じた。上記で触れた建物の持ち主は、接合部の補強に力を入れる一方で、ほかの弱点には手を付けていなかった。そもそものバランスが悪い建物で、耐震補強金物ばかりを取り付けても地震をしのぐのは難しい。

 このメールの読者は建築や土木のプロがほとんどなので、「当たり前のことをいまさら」と感じる人が多いかもしれない。しかし、当たり前のことが届いていないのが現実で、だから地震のたびに同じような悲劇を目にすることになる。

 能登半島地震の全壊戸数は4月3日時点で300を超え、安心できる居所を失った数多くの人々が避難所で暮らす。様々な理由で備えられない人もいるだろうが、地震に備えるための知識が欠けていたために悲劇に遭う人もいる。プロの“当たり前”の知識が人を救うことが必ずある。まずは自分の家族や両親、そして知人たちに命と財産を守るためのアドバイスを、一言でいいから伝えてあげてください。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3月22日発行の「日経ホームビルダー」4月号の特集記事「即効!金物再入門」では、現場で犯しがちな取り付けミスなどを紹介しながら、住宅の骨組みを支える接合金物使いの基礎知識をまとめている。今回の地震では、地盤、壁、接合部、腐朽といった弱点を抱える木造建物が狙い打ちされた。これら被害の詳細と、そこから学ぶべき教訓については5月号で報じる予定だ。家づくりにかかわる技術者もいま一度、耐震の基礎を見直すべきだろう。

安達 功日経ホームビルダー

読者のコメント  ※[ログイン]すると全文表示、投稿・投票ができます
私宅はありふれた建売ですが、10年経った頃にたまたま屋根裏に上がったら梁を留めている羽子板金具のボルトが全部緩んでいました。 地震に備えた柔構造か?と思いましたが、強風でギシギシ音がするし、なんとなく気になるので、全部増し締めしてしまいました。きっと木材が乾燥して収縮したので緩んだのかと思います。 柱のない大きな居間とか開口部の大きい車庫の上に部屋があるとか、デザインだけはモダンな建物ですが、地震には弱いだろうと気になっています。
(2007/04/11 11:53)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
皆さんと同じように、せめて写真は必要かと思われます。それと、個人的に、金物にはゆるむ事もあります。特に、木材の乾燥による収縮でナットが利いてない事も有ったりします。そんなケースでは、新しいから大丈夫とは言えません。やはり、プランで無い限り施工者の良心によるところが大きいと思います。そんな、具体的な内容も知りたい所です。
(2007/04/09 15:27)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
本文はどこで見ることができるのでしょうか。 この記事は前文ですよね。

<編集部から>
記事の掲載ページは以下の通りです。
朽ち果てた建物に過剰なまでの耐震金物
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/20070403/505765/

下記のページでKEN-Platzの会員登録(無料)をしていただくと、ご覧になれます。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/regist/
(2007/04/08 11:36)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0

その耐震金物は悪徳業者によってつけられた物だったりはしませんか? もう少しデータに基づいた記事にして欲しいです。 建築は門外漢ですが、そんな思いになった記事です。
(2007/04/05 19:06)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
どこかの悪徳リフォーム会社の話では無いのですね
(2007/04/05 14:05)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
一連のコメントにあるように写真を見たいと思います。 建物所有者が自ら付けたのか、リフォーム、補強業者が 付けさせたのか、事情を知りたいと思います。
(2007/04/04 17:28)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
画像がないので、判断できない。
(2007/04/04 16:13)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
他のコメントにもあるように、写真がないと説得力に乏しい。有効な金物では無いようです。
(2007/04/04 12:26)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
「過剰な」とあるのは、不法な押し売り工事によるものなのかどうか。写真すら無い状態では全く参考にならない。
(2007/04/04 09:29)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
記事に関する写真があれば良かったのに残念です。
(2007/04/04 09:28)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
記事の内容と考え方には大賛成です。ただ、記事には「耐震補強金物」とありますが、L型のものが大量についていた、とのことですので正式な耐震補強用の金物ではなく、訪問販売業者がよく使用する「家屋補強金物」ではないでしょうか? 写真がありませんので断言はできませんが、家屋補強金物に耐震性を向上させる機能はありませんので、金物がついていても倒壊を。。。。云々は的を得ていないのではないでしょうか?
(2007/04/04 09:21)

 このコメントが 参考になった: 0  参考にならなかった: 0
写真で訴えるべきだ。折角の教訓をビジュアルに発信しないと啓蒙にならない。
(2007/04/04 09:01)

 このコメントが 参考になった:1 参考にならなかった: 0
読者の評価
この記事を:
  (95%)
  (3%)
  (1%)
内容は:
  (71%)
  (23%)
  (5%)
コメントの投稿

ログインするとコメント投稿画面を表示します。非会員の方は、右記の「ご意見投稿フォーム」からコメントを投稿できます。 →ご意見投稿フォーム

ログイン 会員登録


<<コメントに関するご注意>>

  • 投稿されたコメントは査読のうえ公開します。コメント末尾の日時は投稿時点のものです。用字用語などは当社規定に沿って変更、明らかな間違いや不適切な表現は原文の意図を損なわない範囲で変更します。不適切と判断したコメントは公開しません。公開後の修正・削除もあります。個人情報の入力はご遠慮ください。
  • コメントは本サイトや当社媒体に転載する場合があります。その際、読者から寄せられたことを明示します。
  • 記事への質問は問い合わせフォームをご利用ください。コメント欄に投稿いただきましても回答できません。
  • 投稿の内容について当社は信頼性や適法性を保証しません。トラブルが発生しても責任を負えません。
はてなブックマーク お気に入りに追加 印刷 RSS 文字サイズを小さく 文字サイズを大きく

アクセスランキング(建築・住宅発)

総合トップ建築・住宅土木不動産街づくり建設ITキャリア会員登録・変更

日経アーキテクチュア日経ホームビルダー日経コンストラクション日経不動産マーケット情報雑誌・書籍・セミナー

ケンプラッツについて推奨環境広告掲載プレスリリース送付RSSについて問い合わせ