COBieの考え方を取り入れExcelシートも活用

 3Dモデルを開くためには、かなりのスペックのパソコンが必要だが、誰もが持っているわけではない。また、3Dモデル自体を扱うのに慣れていない人もいるだろう。

 そんな人のために、3Dモデルの属性情報やリンクされた情報は、表計算ソフト「Excel」のシート上にも整理した。PDF書類や写真などの資料にはシートからリンクが張られている。

切羽情報を整理したExcelシート。切羽画像(赤枠内)へのリンクが張られている(資料:大林組)
切羽情報を整理したExcelシート。切羽画像(赤枠内)へのリンクが張られている(資料:大林組)

Excelシートからリンクされた切羽画像(資料:大林組)
Excelシートからリンクされた切羽画像(資料:大林組)

 表形式で整理され、Excelシートにまとめられた情報は、3Dモデル上のオブジェクトと、そこに埋め込まれている属性情報やリンク資料の構造をそのままCIMソフトから書き出したものだ。

 表の左端にある「オブジェクトハンドル」は、CIMモデル内の部分パーツの名前を表す。これを手がかりに、様々な施工管理情報を整理する一種のデータベースとなっている。

 「この情報整理の方法は、米国などでBIMモデルの情報を維持管理に活用する際に使われているデータ交換標準『COBie』の考え方をもとにしたもの。もちろん、建築分野で使われている部材の分け方とは異なるが、概念的には同じだ」と杉浦氏は説明する。