画像処理で路面のひび割れを発見
「アスファルト道路調査・診断システム」(東芝、トプコン)

 トプコンと東芝は6月29日、インフラ劣化高速診断市場に本格参入することを発表した。その第一弾として共同開発したのが、アスファルト舗装道路の路面ひび割れを調査・診断するシステムだ。

 トプコンは高精度GNSS(全地球衛星測位システム)や移動体の情報処理技術、東芝は高度な画像処理技術をそれぞれ持ち寄り、これらの技術を融合してアスファルト路面用のひび割れ調査・診断システムを開発した。

アスファルト路面のひび割れ調査・診断システムのイメージ図(資料:トプコン)
アスファルト路面のひび割れ調査・診断システムのイメージ図(資料:トプコン)

トプコンのMMS計測機器「IP-S3 HD1」(写真:家入龍太)
トプコンのMMS計測機器「IP-S3 HD1」(写真:家入龍太)

 これまでの調査では、「ひび割れがない」という区間も含めて、人間がすべて目視などで検査していた。これに対して、このシステムを使えば、詳細調査前に問題のありそうな区間だけをピックアップする「スクリーニング」作業を自動化して、作業を効率化できる。トプコンによると、従来に比べて作業時間を約40%削減できるという。

 現在、両社のほかオリエンタルコンサルタンツも参加してこのシステムを使った実証実験も進めている。

 ITを使って「異常なし」の部分をふるい分けることにより、維持管理作業を効率化する方法は、今後も増えていきそうだ。