現場状況を3D写真で専門家に“出前”

 3D写真の各部分には、床、壁、天井などをパソコンが区別できるようにするための「属性データ」を付ける。

 そして、中間ファイルを介してArchiCADやRevitなどのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトに読み込んで建物の現状の情報を加えれば、改修工事などの設計作業にも使うことができる。

 U’s Factoryが2014年1月に「RobotEye Walker 4D」を発表したときに注目されたのは、この「改修設計などに必要な建物の現状をBIMモデル化する」という機能だった。

3D写真の各部分に属性データを埋め込む(写真:U’s Factory)
3D写真の各部分に属性データを埋め込む(写真:U’s Factory)

BIMソフトに読み込むと、改修工事の設計などに使える(写真:U’s Factory)
BIMソフトに読み込むと、改修工事の設計などに使える(写真:U’s Factory)

 同社はその後、この機能の使い勝手をクラウドにより向上させた。3D写真をクラウド上のサーバーにアップし、現場状況を技術者のもとに“出前”する「Dokodemo-DOA」というサービスを始めたのである。それがいま、建設業の各社から引っぱりだこなのだ。

「Dokodemo-DOA」システムの全体イメージ(資料:U’s Factory)
「Dokodemo-DOA」システムの全体イメージ(資料:U’s Factory)

 その用途の1つは、建物の改修工事などの施工計画だ。こうした改修工事は、既存の設備や躯体の状況を踏まえながら、様々な専門家の知恵を結集して取り組む必要がある。

 しかし、多数の専門家が現場に足を運んで現地を確認・計測するのは大変だ。そこで現場を3D写真としてクラウド上にアップすることで、それぞれの専門家はいつものオフィスから現場状況を確認し、寸法が必要なら自席にいたままで高精度に測ることができるのだ。