「アイアンブリッジ」を思わせる鋼橋の構造
橋の設計には、オートデスクが開発中の「ドリームキャッチャー(Dreamcatcher)」のような設計ツールが、3Dプリンターの制御には「ダイナモ(Dynamo)」といったシステムも使われているようだ。
2014年12月17日付けの当コラム記事で、オートデスクのCTO(最高技術責任者)であるジェフ・コワスルキー(Jeff Kowalski)氏がラスベガスで行った講演の内容を紹介した。
その中で、オートバイの後輪を支える「スイングアーム」という部品を設計する際、作用する外力に基づいて最適化していくと動物の骨のような形になるという話があった。ドリームキャッチャーとは、まさにこの最適化を行うための設計ツールなのだ。
橋の設計はオランダのデザイナー、ジョリス・ラーマン(Joris Laarman)氏が担当する。
一般の鋼橋は鋼板やH形鋼などの材料で作られるため、平面や直線を多用し、断面形状も均一なものが多く使われる。しかし、橋全体を3Dプリンターで作るという条件だと、作用する荷重に対して橋の各部分を最適に設計し、造形することができる。ドリームキャッチャーのようなシステムを使うと、橋の形も「生物化」してくるようだ。
その形は、かつて鉄が高価な材料で最小限しか使えなかった時代に英国で建設された世界初の鋳鉄製アーチ橋、「アイアンブリッジ」をほうふつとさせるものになりそうだ。